あんがすざろっく

「もののけ姫」はこうして生まれた。のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

5.0
劇場で「もののけ姫」を観て、とんでもない衝撃を受けた僕は、ビデオ発売時に迷わずソフトを購入しました。
世はVHS時代、後何年かすればVHSを知らない世代の子供も生まれるでしょうね。

で、そのもののけ姫本編とセットで販売されたのが、もののけ姫のメイキングドキュメンタリーである本作。3巻組、6時間に渡る長編。
これが、単なるドキュメンタリーの域を越えた傑作だったのです。
本当に、6時間一気に見てしまう。
スタジオジブリのこれまでにも触れているし、宮崎駿監督の葛藤から、その爆発的な個性、そこに振り回されながらもぶつかってくる鈴木プロデューサー、ジブリのスタッフ達。
スタッフの皆さんそれぞれにスポットライトが当たり、今までジブリ映画のクレジットで名前だけは見たことのあるスタッフさんの姿や仕事ぶりも目にすることができ、これでもか、というぐらい、余すことなく製作の裏側に迫っています。
もののけ姫がどうやって完成にこぎつけたのか、その年月の歴史は、一本の映画として見ても、十分に面白い。

アフレコの風景も収められており、重鎮森繁久彌氏や美輪明宏氏に演技指導をしていく監督は、最初こそ恐縮しながらも、圧倒的な演技力で応えるベテランの姿に要求がヒートアップ、面白がるように無茶振りを重ねる。
「うちの孫があなたの大ファンなんです」と声をかける森繁氏に、監督は照れ臭そうに笑います。
大仕事を終えた後の嬉しい一コマですね。
小林薫氏のジコ坊、これも大変だったようです。
椀を飲んだ後の「美味い」の一言を、延々繰り返す。これはいつ終わりが見えるんだろう…。
笑うに笑えない大変さ。

エボシ役の田中裕子氏はひたすらかっこよかったです。

音楽はジブリと言ったらこの方、久石譲氏。
もののけ姫はスコアもまた素晴らしかった。アシタカとサンのテーマ、アシタカせっ記、勿論米良良一氏の歌った主題歌も、神秘的で美しい。

キャッチコピーの「生きろ。」でさえ、糸井重里氏とかなりの応酬があったらしいので、宮崎監督の執念たるや、引退覚悟も頷けます。

僕は奥さんと結婚した時、新婚旅行で屋久島に行ったんですが、色々事情があって、森の中へは入らなかったんです。
この時ブナの森を見れていたら、また一段ともののけ姫に思い入れが強くなっていたかもなぁ。

もうVHSは結婚した時に捨ててしまったので、ソフトはありませんが、もののけ姫もDVDで買い換えたいところ。本作は特典ディスクに入ってるのかなぁと思ったら、こちらはこちらで別売になってる。
そりゃ、6時間の長編を特典にする訳ないですよね(笑)。
でもDVDを購入する時には、絶対本編と合わせて、こちらも購入します‼︎それぐらい見応え充分。
本編見終わって、こちらを鑑賞したら、また本編見たくなるはず。
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