「もののけ姫」はこうして生まれた。の作品情報・感想・評価

「もののけ姫」はこうして生まれた。1998年製作の映画)

製作国:

上映時間:400分

4.3

「「もののけ姫」はこうして生まれた。」に投稿された感想・評価

Ryohei

Ryoheiの感想・評価

4.7
宮崎駿の才能の次元の違いに何度も笑えてしまうほどものすごいドキュメンタリー!

この度のリバイバル上映で「もののけ姫」を再度観て、このドキュメンタリーの購入を決意。

映画のレビューにも書いたけど書ききれないのでこちらにも続きを投稿します!

はぁー見たみた!
と満足げに400分を終えたあとに目に入ったのが3枚目の「映像特典」(20分)



映像特典(20分)?!

ここにきての映像特典20分は
中華屋でもう満腹で食い切れない時に
最初に頼んでたラーメンと炒飯が来た時じゃ!


「もののけ姫 IN USA」

でもこれが本編に負けないくらい面白かった!

アメリカの記者からの質問で、

「アメリカ人が持っている日本の”アニメ“のイメージで、最近流行っている近未来のSFアニメをどう思われますか?」

という問いに対して、駿氏の回答がとても面白かったのでメモ。

「私は好きじゃない。希望を持てないことをひけらかしてるから。ものの見方が浅い。それから極めて機械的である。安く作って美しくない。
アニメーションも含めてテレビゲームとかでビジネスをしようとする力が強いと思いませんか?
子供達が現実を知る時間を奪っていると僕は思っています。
テレビもゲームも音声と視覚の世界です。
でも現実の世界というのは、音と視覚と匂いと触ることと口に入れて味をみること、この5つの感覚で子供たちは世界を知っていくんです。3歳の子供は現実を知らないので、テレビに時間を費やし過ぎると、テレビのブラウン管の事を現実と思ってしまうんです。」

「アニメーションで全てをわかってもらおうとは思っていない。アニメは感じる物なので、この映画を見たあとに現実に戻って色々な物に触れて感じて欲しい」とも言っている。
素晴らしい考え方。
先を読む力が天才すぎる。
テレビの中だけが現実なんてまるで「レディ・プレイヤー1」の世界。

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このドキュメンタリーは、宮崎駿の凄さもさることながら周りのスタッフの素晴らしさもよくわかる。

バンダナ姿が伝統工芸師の佇まいの久石譲。
シンバルのシーン仲良さそうで良かった。
こういう空気で物づくりしたいよね。
ここでの鈴木さんグッジョブ。

アシタカせっ記の話も最高。
ここでの鈴木さんもめっちゃグッジョブ。

ジブリの映画で必ず最初に名前が出てくる
徳間書店の社長さん。徳間康快さんがジブリにとってこんなに重要人物だったことを今知った。
最高の社長だな。そりゃ社長になるわ!
「俺は大物中物小物って分けるんだけど、初めて会ったときに彼(宮崎駿)は超大物だなって思った。」
「私は彼が言うことにノーを言ったことはない。彼も私が頼むことにノーを言ったことはない。」

ナウシカを映画化する際に「アニメを作る前にスタジオを作ってくれ」と言われても大物になることを信じて何千万ぽんって出す力よなぁ!優秀な社長というのは!
人を見る目がマジですごすぎるぜ!社長!


高畑勲、保田道世、森繁久彌、徳間康快、近藤喜文、、、。ジブリのために力を尽くした今は亡きレジェンド達もたくさん記録されている。
本当にありがとう。
この人たちが映るたびに、ただただありがとう。という気持ちになる。
駿死なないでくれー!
まだまだ新しい作品が見たいよー!!

このドキュメンタリーで一つだけ言うならば、効果音のパートがもっとみたいんじゃ!
すっごい面白かった!買ってよかったDVDになりました。
制作過程にどれだけの人と時間が費やされているのか、作り手の命が吹き込まれるのがありありと伝わってきて、ここのシーンはこんな風に作られていたのか!っていちいち感動してしまう。
特にディスク3の俳優さんたちの声の吹き込みのドキュメンタリー部分が好き。私はアシタカの声がすごく好きやからもっと松田洋治さんにフォーカス当てて欲しかったなと思ったりしたんやけど、それでもこんな風に言ってるんや!このシーンこんな大変やったんやと知ることが出来る。あとモロの美輪明宏さんと乙事主の森繁久彌さんの貫禄!!もののけの役がぴったりすぎる人間離れしたおふたりやからこそ出せる技だったんやなとわかった。
あとスタッフ同士の中が良いんやろなと思った。新人歓迎会や夜食をみんなで食べたり、防災訓練やサイクリングなど、仕事以外のところでもコミュニケーションを取ってるからこそのワンチームで作品を作るのに良い影響があるんかなと思った。
これ見たあともう一度もののけ姫の本編が見たくなる。まだ映画も公開中なのでもう一度劇場でもののけ姫見ようかな
Ayax

Ayaxの感想・評価

4.8
私が死ぬほど好きなドキュメンタリー。
絵コンテ→原画→色決め→色塗り→CG→撮影→アフレコ→音楽→宣伝とたっぷり400分。もう全部最高に面白い。手描きのアニメ制作の泥臭さと世界最高峰の職人の仕事(20年以上前だからびっくり)が記録されている貴重な映像たち。あーエウレカの人だ、まどマギの人だっていう今では大御所のアニメーターの若かりし頃も見ることができるし、私が展覧会にも行った美術の男鹿和雄さんもいるし、色決め職人の保田さんも好き。
でも何より凄まじいのはやっぱり宮崎駿で、原作、監督、脚本、絵コンテ、原画もやってんの。しかもものすごいハイレベルで!とにかく的確で速い上手い。人間や動物の筋肉と骨格を理解してるし(手塚治虫もそう)、風や髪の毛をふわっとさせて感情を表現するとかアニメならではで、正に申し子。こんな人材もう永遠に現れないんじゃないかなあって。くしゃくしゃって丸めて捨てた紙を私にくれないか。
私の一番印象に残ってるのはアシタカが走るシーンの鬼の直し。それ以外もとにかく全編面白い。
最近の作品があんまりピンとこなかったから何となく距離を置いていたけど、私はやっぱりスタジオジブリというか宮崎駿大好きなんだなあ。
Kuuta

Kuutaの感想・評価

4.0
「辛い時に辛い表情をさせたらそれだけのシーンにしかならない」。

記号の集積であるアニメで、記号的になる事を徹底的に嫌う、この矛盾。声優の起用を避け、役者や素人を使うのもその現れだろう。

別の見方をすると、これは映画の「アクションの面白さ」をアニメで表現する事の探究でもある。

例えば、宮崎作品お馴染みの、落下と上昇に意味を持たせること。実写であれば、それは見る側が脳内で補えば良いだけの話だが、ハヤオはそのアクションの意味を描き手が理解した上で、A地点からB地点までのコマごとに、物語的なニュアンスを全て表現しろと言う。

そんなめんどくさい事は実写でやれと思ってしまうが、本来アニメ的でない表現をアニメに求めていく、この捻れこそがハヤオの作家性であり、他のアニメには無い作品の凄みに繋がっているのだろう。

(正直、数カット毎のニュアンスがサブリミナル的にどの程度伝わってきているのか、よく分からないけれど)

映画というより、ひたすら長いドキュメンタリーだが、内容は濃い。何点付けたらいいかよく分からないので、とりあえず星4にします。

①全盛期ハヤオの仕事っぷり
これは見てもらう以外に伝える術が無いが、凄まじいの一言。彼なりの製作上の工夫も出て来る。「大きめの枠の絵コンテで描き、主人公に寄り添わないようにする」「アクションの構図をベクトルで考える」…。仕事中に居眠りしそうになり、眠気覚ましに口ずさんだ歌がコクリコ坂のテーマ曲だったのがうおおってなった。

②ジブリの仕事っぷり
ハヤオの絵コンテに沿うことだけ考えて原画を描くと、「ちゃんと考えていない」と修正され続ける地獄。その絵を世に出す意味を吟味し、工夫することが求められる。

背景美術、CG、カラーコーディネート等、各部署のスタッフが実名で登場。彼らが試行錯誤する様子は、ハヤオの捻れた作家性をスタジオ全体で実現しようとする過程そのもの。ハヤオの求める仕事のやり方が、各部署で徹底されているのがよく分かる。

技術的な課題とその解決法、実際に映画に使われたシーンをテンポ良く積み重ねていくので、工夫の一つ一つが分かりやすく伝わってきた。

③作品を売る鈴木敏夫
鈴木敏夫の努力にかなりの時間が割かれているのも今作の特徴だろう。私は絵心の無い人間なので、上記①②は別世界の話として半分口を開けて見てる感じだったが、ここは親近感を持って楽しむことが出来た。

徳間書店の社長から映画会社の幹部まで、色んなインタビューが収められている。「もののけ姫」フィーバーの要因を掘り下げようとする意図も感じられる。

この人は凄いなと直感させられる人から、平凡なサラリーマン、作品の中身はどうでも良さそうな人。様々な立場の仕事によって成功が生まれた事が見えてくる。

個人的に特に良かったのが、鈴木氏とPR会社による会議。どこで上映し、興収何億を目指し、どんな宣伝を打つのか。具体的に語られる。

作品を見たPR会社の意見は「暗い」「グロい」「女の子にはちょっと…」「感情移入出来ない」。邦画のダメさが凝縮されているようで暗澹たる気持ちになるが、これに対し鈴木敏夫が、ハヤオの目指す表現について必死に説明してるのが、めちゃくちゃ熱かった。

最後に、ハヤオの印象的な言葉。
「共有できるものをいっぱい持てば個性を生かせる仕事が増える」「趣味の間は仕事を忘れられると言ってるようじゃダメ。趣味も全てアニメに注がなくちゃ」。雑学が次々に飛び出る彼の教養の深さには驚嘆させられるが、全ては仕事に繋がってるんだなぁと。

(後者の言葉は作画監督をやっていた高坂希太郎氏に向けたもの。自転車好きの高坂氏は2003年に「茄子 アンダルシアの夏」という自転車アニメの傑作で監督デビューする)

そんなハヤオが唯一、ペースを乱される人物が終盤登場する。美輪さんだ。アフレコを前に、モロのキャラクターについて菩薩を絡めて論じ始め、ハヤオは「私はそこまで知識が無く…」と頭を掻く。神々の会話感が面白かった。

私は公開当時映画館でもののけ姫を観れていないので、とにかく今回の再上映が楽しみでならない。
400分にも及ぶ、もののけ姫公開までの長編製作ドキュメンタリー。久しぶりにみたもののけ姫の余韻にどっぷり浸って、すぐ買って一気見。

だいすきなジブリ。
でも、制作の裏側を知るのは初めてで、正直作業量が正気の沙汰じゃないなと思った。アニメーターの仕事は、仕事以外に趣味があって、その趣味をしてると仕事を忘れられるっていう趣味があると務まらないと宮崎駿監督がぼやいてた。
制作期間約3年間。もののけ姫を当たり前のように、見てきた裏側には生活の何もかもを、この作品に注ぎ込んだアニメーターの皆さんの擦り切れる思いがあった。

食いつくように、見続けました。
面白かった。
作り手の製作過程はいつだって地味な仕事が多い。
それがこんな名作に繋がるかと思うと頭が下がる思いです。
全体的には普通のドキュメントですが、宮崎駿の原画(動画)もあるので見る価値は充分あると思います
ゆこ

ゆこの感想・評価

4.3
下手すると本編観るより面白い
映画とは「創りたい作品へ造る人たちが可能な限りの到達点へとにじり寄っていくその全過程だ」という言葉が胸に残った それは人生とも一緒だと...
生きてると悲しいこと辛いこと面倒くさいことたくさんあるし、もう頑張って生きてる意味無いんじゃないかな、死んじゃっても良いのかなと思うことあるんだけど、さっきの言葉には少しどきっとした なげやりに生きるということは、自分に無責任なことだったのかもしれない ...そういえば、この映画のキャッチコピーは「生きろ。」だった
kazco

kazcoの感想・評価

5.0
何度目かの鑑賞。

ジブリという現場はジブリ作品より面白いと思わせてくれる映画。


「創りたい作品へ、造る人たちが、可能な限りの到達点へと、にじりよっていく、その全過程が、作品を創るといういうことなのだ」
宮崎監督の映画作りへの言葉である。
監督の映画作りは週刊連載のような作り方なので結末が最後まで二転三転する、監督自身がどういう作品を作ろうとしているのかわかっておらず、絵コンテを描く中で模索している、その中で苦悩が垣間見れるシーンが何度もあり、それが上記の「にじりよっていく」という過程を体現されている瞬間で、個人的にはそこが大きな見所。
そして問題が1つの解決を見た時、観ている自分も快感を覚える。

勿論、製作過程も全て記録してあるので、当時初めて観た時に感じていたタタリ神のおどろおどろしい声の謎や、乙事主の神秘的な身体の表現方法などが解き明かされる(声の謎は、喉に小型マイクを貼り付けて声帯の震えも一緒に撮っていた)のも今作の見所。

鈴木さんの明快な喋りや貧乏揺すりしながら話す姿がとても面白い。
これ登録されてたのか
“スタジオジブリ”の最高傑作
本編より面白い
3枚組で400分もあるのにそう感じないほど引き込まれた。
Blu-rayで超綺麗なもののけ姫が観れるようになった今観ると本編がより楽しめると思う。

制作過程はもちろん、キャッチコピーが決まるまで、レコーディング風景、宣伝広告の打ち出し方なども見れるからどんな人にも勉強になる作品だと思う。

声のキャストだと
田中裕子がかっこいい。
西村雅彦が面白い。
美輪明宏の表現力がすご過ぎる。

ナレーションがめちゃイケと格付けチェックの人でバラエティーの印象が強すぎる声だから、ここをもっとドキュメンタリーよりの感動方面の人にしてたら5.0だったかもしれない。
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