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君の名前で僕を呼んでのmahのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
5.0
――2回目:2018年6月16日


地元の映画館に遅れてやってきたので、2回目行ってきました。
今回は原作読んだ後。


原作を読んで鑑賞したらすべての歯車が噛み合った。エリオの心の動き方も、オリヴァーの心情も全部納得がいく。原作と映画両方で1つの作品になった。
だからと言って映画が足りてないわけではなくて、あの足りてなくて必要以上の説明がないようなところが一番リアルで、それがエリオ自身であり、オリヴァーだった。
1983年の夏、北イタリアのどこかに私たちがちゃんと足を運んでいるような作りになっている。
もしくは、私たちがエリオやオリヴァー自身である。相手の考えていることは、その人にしかわからないから。だからみんな戸惑ったりやきもきしたり、苦しくなったりする。
私たちはエリオで、また、オリヴァーでもある。
私の心にはエリオがいて、相手の心にエリオを探していると実感した。

非常に繊細で純度の高いラブストーリー。
エリオの心情が分かった状態で観ているため、1回目よりもエンドロールが苦しすぎた。

人生において大切にしていきたいと思えるような映画になりました。




――1回目:2018年5月4日


1983年の夏。北イタリアのどこかで夏が過ぎるの待つエリオと、エリオの父の研究補助に招かれたオリヴァーがゆっくりと溶けるように恋に落ちていく物語。


素晴らしかった。
17歳のエリオのあどけなさ、多感で繊細な様子が美しく描写されていた。ただ好きになったのが"彼"だった、それだけなのだ。
ゆったりと、時に激しく進んでいく夏の6週間。
同じ屋根の下で生活し、読書や音楽を楽しみ、川へ泳ぎに行ったり、自転車で街まで行く。人が人を好きになる時の何気ない日常がぎゅっと詰まっている。

環境の描写がとてもうまく、陽射しの暑さ、桃の果汁の香りや海の潮の香り、滝の周りの涼しさ等、まるで私も体感したかのように感じることができた。


エンドロールで一気に夏の思い出が頭の中を巡る。エンドロールでこんな気持ちにさせられるとは。

噛みしめてから解釈する言葉の言い回しが少し多かったため、原作を購入。読んでからまた鑑賞したい。
そして私も彼らの1秒1秒すべてを忘れたくない。何一つ忘れたくないと思う作品だった。早くあの夏に戻りたい。
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