このレビューはネタバレを含みます
みんな言ってたけど、ほんっと絵が綺麗。何度シャッター切りたいと思ったか、、、、。またちょっと前の時代設定なのがいい。色合いといいファッションといいバッチリすぎる。
あのゆっくりとした時が流れるヨーロッパの夏に合わせた話の進み方が、すごく心地よかった。あの世界観、作られすぎた感が全然ないのにちゃんと考えられてるのがわかる。ヨーロッパでの「こんなに何もしてなくていいのかな?笑」って過ごしてた夏を思い出す。本当にそれでいいんです。みんなで食卓囲んで気が向いたら散歩に行って、何を見るでもなくダラダラいっしょに街にくりだして、音楽聴いたり本読んだりして1人の時間作ってみたり。ほんとそれだけ。それだけで、それが全てで、それが日々。そんな夏。(話がそれた)
徐々に、本当に少しづつ近くなる2人と、あたたかく見守る家族と、柔らかい陽射しと。私までサングラスかけようかと思ったくらいすぐそこに日が射してるようで、サングラスかけたくないくらい柔らかな光だったな〜
台詞にも一度しかゲイって出てきてないし、これは本当にもう同性愛とかそういう問題の話ではないね。そもそもがそうなのだけれども。きっと最後のお父さんの話で心打たれる人が多いのは(わたしもそう)性を飛び越えた愛の話だからだね。両親やメイドさん?、何もしてない。ただ彼の家族であって、必要な時にそこにいて、そこにいても「言い過ぎかな」なんて言って出しゃばらない。最後お父さんが控えめに言うあたたかい言葉以外、彼らはただエリオの家族であるだけだった。それが、素晴らしい。。。
「君たちの間には知性以上の全てがあった」
「お互いを見つけられて幸運だね」
「痛みを葬るな。
感じた痛みも喜びも忘れちゃいけない。」
「感じることができなくなる方が悲しい
身体も心も衰えていってしまう」
「なぜなら彼が彼であったから。
君が君であったから。」
誰かや何かとの間には愛しかないのかもしれない。どのくらい想うかとか、身体的繋がりとかそういう違いはあるとは思うけど、極論、私たち人間同士の間に生まれる感情や感動や喜びや悲しみそれが愛なのかもと、そんな壮大なことさえ思ってしまった。妬み嫌い憎み合うのはつらい。それはきっと本来あるべきものではないからなんじゃないかな。
いつかの出会いと彼らとの別れ、出会えた喜び、過ごした時間、今身近にある愛…色んなものが頭をよぎった。
ああ本当にいっしょにひと夏過ごした気分。