あの『オーシャンズ11』シリーズの女性版という立ち位置だが、単に女性に置き換えただけとは感じない。男から女に変わったことにより、盗むという意図にも違いを持たせている。このシリーズの作風として、ゴージャスさが大きなウリであるが、それが女性に変わることでまた違った魅力を放つ。サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェットを筆頭に、豪華女優陣の衣装がころころ変わるのが見ていて楽しい。スーツやドレスを着こなして登場する姿はまるでスーパーモデルのファッションショー。ゴージャスさの使い分けを監督がしっかりと分かっており、なるほどだった。一攫千金を狙うという目的も、男であればロマンとかになるが、女性からしたら美しいものを欲するという衝動が動機になっていて、男にも女にも共通にある欲求のバランスの配分を上手く使い分けてあって面白い。軽快さもきちんと引き継いでいて、テンポよく楽しく観れるのが本作の良い所。男女問わずに魅せられる華やかでとても楽しい映画になっている。観たら気持ちがパッと明るくなる元気になれる作品。さすがに「よし、泥棒になろう！」とは思わないけど、自分の能力や魅力を信じ、それを武器にして大きく堂々と生きる姿がかっこよくて憧れるね。
