maverick

くるみ割り人形と秘密の王国のmaverickのレビュー・感想・評価

3.8
あの有名な、くるみ割り人形をディズニーが実写映画化。子供の頃に頭の中で創り出した世界をそのまま再現したかのよう。

ディズニーによる名作の実写映画化の中でも、本作は地味な部類に入るとは思う。『シンデレラ』、『美女と野獣』などと比べると評価が低くなるのも否めない。だが、本作は是非とも童心に帰って観てほしい。子供の頃に、こんな話を想像したんじゃないかな?絵本の中のおとぎ話にわくわくしたことだと思う。自分はそんな気持ちを思い出した。
『不思議の国のアリス』に似ているが、主人公の女の子が不思議な世界に迷い込み、その世界で自分が中心人物となって世界を救う話だ。
異なる点は、本作の世界はお母さんが創り出したものだということ。お母さんを亡くし、悲しみにくれる娘が母の想像上の世界に入り込む。そこで亡き母の想いを知り、娘は大きく成長する物語。家族の大切さを描いた温かい話だ。
感動的な話だけど、ちょっと怖いのはおとぎ話のお決まりでもある。でもリアルなネズミの大群の描写は少々グロテスクで恐怖ではあった・・。リアルな映像美で表現した作品性だが、もう少し幻想的なファンタジーでも良かったのかなとは思う。

主人公の女の子を演じたのは、『インターステラー』でマシュー・マコノヒー演じる主人公の娘役が印象的だったマッケンジー・フォイ。美少女だし、演技は上手いし、存在感がずば抜けていた。モーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、キーラ・ナイトレイという大スターの中で、彼女が圧倒的に光っていた。彼女を主役に起用したディズニーの采配を称賛したい。


本作は興行的に失敗で、評価も低いようで。でも子供にはきっと好かれる内容なんじゃないかな。ファンタジーものって、大人向けと子供向けな作品があるから。子供の時に観て好きになった作品を、大人になってもずっとお気に入りな人は多い。本作もその部類だと思う。自分としては結構好きな作品。
ディズニーらしい、夢と愛に溢れた作品だ。
maverick

maverick