終わってしまうGYAO！　惜しんで。

監督、佐藤寿保だと思ってたら、最後違う名前が出てきたので、佐藤寿保監督作じゃないのか、と思ったら変名なんですね。

この作品も新宿東口ロケがあり、紛れもなく佐藤作品、って感じ。

尾行者の男と尾行される女。なんか、テーマが今では軽はずみに扱えないようなものなので、ちょっとドキドキ。

チルチルミチルって、使い捨てライター、懐かしい。今でもあるのかな？

何が起こってるからよく分からないが常にギリギリの状態が保たれている90年代テイスト、新宿（駅前の凡って喫茶店当たり前からこの頃からあるんだな…）。非加熱製剤によるエイズ感染ってまんまミドリ十字事件だし、追う者が追われる者にの関係性の変化はめちゃくちゃ『燃えつきた地図』じゃんと思ったら次のシーンでちゃんと『箱男』が出て来て分かりやすい安部公房をやっている、都市の中の絶対的な孤独。ラストのイキリ方もこうなれば許せる、めちゃくちゃ面白い。

GYAO! に『人妻』というタイトルで、無料で観られる佐藤寿保作品があったので、観てみたら『いやらしい人妻　濡れる』だった。未確認尾行物体、懐かしい。
セリフが空虚なのであまり記憶に残りづらいんだけど、冒頭の通路でカメラを振り回してる、緑がかった少しピントがボケ気味の映像だけで、もう満足。自主制作感覚のフィルムの懐かしさ。
洗面所に水をためて、注射器の血を垂らしてそれが水に滲んでいく、そういう場面に美しいなと思う。