黒い下着の女 雷魚の作品情報・感想・評価

「黒い下着の女 雷魚」に投稿された感想・評価

これほどの(原始的な緊張)はどの国の映画史を細かく紐解いても、簡単に見つけられるものではありません。
瀬々敬久「黒い下着の女 雷魚」

椎間板ヘルニアと慢性膵炎を抱えながら不倫相手を探す人妻 佐倉萌も、得体のしれぬ情念で彼女に殺されるテレクラ男 鈴木卓爾も、行きずり男 伊藤猛もとんだ食わせ物ぞろいですが、彼らは皆どこかで、端倪すべかざる鋭角的な情勢から放出される(緊張)というものを、ある種の心地よさとして受け止めている気がします。
そして観ている私たちもまた、その緊張が少しでも長く保たれ、一層高まる事を秘かに願っており、いかなる相手でも矯めつ眇めつ見る痩せぎすのヤクザを目の当たりにしたかのように、こう着状態になるのみ。

普段は鳴く事で交尾相手の異性に訴える虫は沈黙し、飛翔する姿で異性に訴える鳥は直線的な肢を微動だにさせられす、菌を媒体する忌み嫌われる蟲でさえ、どこか適当な所に身を隠してしまいそうな文字通り(原始的な緊張)が75分の上映時間に張り詰めます。
製作費は僅か600万という破格の低予算なのに音楽・安川午朗。脚本・井土紀州というのが驚きです。

近頃は「感染列島」「64~ロクヨン」「8年越しのの花嫁」「友罪」「菊とギロチン」など、すっかり巨匠の安定感の瀬々敬久監督。
最近また一人お若い日本映画ファンの方と知りあう機会がありまして、本作の話題に関しては意外と知られていない事実を教えて貰ったので
(こいつはもったいない!)と取り急ぎ挙げさせて頂きました。
一年越しのリベンジ。卓爾さん良いなぁ。
面白かったんだけど何が面白かったのかまだ上手く言語化できない。
あきら

あきらの感想・評価

3.5
赤の他人を殺した女と子供を殺された男の行き場のなさって、結局そこしかたどり着く場所がなかったのかもな…
閉塞感とさみしさで彩られたエロは独特の湿り気があって、死との相性がいい。

そしてあの不細工と、次はどこにたどり着くんでしょうかね。
wkm

wkmの感想・評価

4.5
瀬々やべえ...。いつかこの映画を見て泣く日がくるのだろうか。そうなったらもう戻ってはこれないのだろう。でもそれが生きるってことなのかもしれない。生きるってやばいことだ、まだ知らないことだ。
犬

犬の感想・評価

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我々は雷魚なのかな。全部燃える。犬は出てこない。魚いっぱい出てくる。
WINSRIVER

WINSRIVERの感想・評価

4.0
ロケーションが完璧。雷魚を燃やしたり、潰したり、いちいちかっこよすぎる。
オフビートの石井隆というか。
何より電話ボックスが良いしラブホにしても失われていく事物が上手く使われている。
世紀末感の話が特典でもあったが、正しくどうしようもなさが良い訳で、その時代性ともけじゃない映像美と象徴性もあると思います。
暗くどんより淀んだ雰囲気
赤いタイルの浴室
水滴で穢れた鏡にも映し出される殺害シーンは
とても美しく
監督の美的センスを感じた。
浮浪者

浮浪者の感想・評価

3.6
カフカ(変身)とカミュ(異邦人)の奇妙なる結婚。異人にすらなりきれなかったもの同士が共食いはよって、かろうじて延命してゆく一幕。
猫

猫の感想・評価

5.0
おそろしいほど面白い。群像の瀬々。あのモーテルは素晴らしすぎて反則。
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