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機動戦士Zガンダム III -星の鼓動は愛-のyutaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

1985年~1986年にTV放送された『機動戦士Ζガンダム』(全50話)を再編集すると共に、完全新規カットも追加して、全3部構成で映画化した作品で、本作はその第3部、完結編にあたります。

元になったエピソードは以下の通りとなっています。
第33話「アクシズからの使者」、
第34話「宇宙が呼ぶ声」、
第39話「湖畔」、
第40話「グリプス始動」、
第43話「ハマーンの嘲笑」、
第44話「ゼダンの門」、
第45話「天から来るもの」、
第46話「シロッコ立つ」、
第47話「宇宙の渦」、
第49話「生命散って」、
第50話「宇宙を駆ける」

第2部の終盤でアクシズのハマーン・カーンが登場し、エゥーゴ、ティターンズ、アクシズ三つ巴の様相が激化していきます。そして、コロニーレーザー・グリプス2をめぐって最終決戦が行われることに・・・。

まず、第35話~第38話がすっぽり抜け落ちてることで、カミーユが地球に戻っておらず、本来はそこで生きていたフォウ・ムラサメやアムロ・レイと再会するのですが、それが無かったことになっています。当然アムロが搭乗していたMSのディジェが登場しません。
そして、クワトロ・バジーナが自らの正体をシャア・アズナブルであることを告げる重要なダカール演説までもがカットされてしまっています。

また、精神の崩壊が進んだロザミア・バダム中尉のエピソードもごっそりカットされており、カミーユと一度対戦したパイロットの一人みたいになってしまいました。でも、カミーユとシロッコの最終決戦で死んでいった者たちの力として登場するのはテレビ版と変わっていなかったので、とても違和感を感じました。

そして、何と言っても本作最大の特徴は、物語の結末が全く違うものになっていることです。テレビ版では、シロッコとの最終決戦に勝利したもののカミーユは精神崩壊を起こしまるで廃人と化すのですが、本作ではシロッコとの戦いを終え、普通に顔を上げ、Zガンダムのコックピトを飛び出し、ファ・ユイリイと宇宙で抱き合うシーンで幕を閉じます。結末としてはこれはこれで良いのですが、続編である『機動戦士ガンダムZZ』とは完全に違う世界線に行ってしまい、物語自体が無かったことになってしまったのです・・・。そして、ハマーン・カーンはこの後どうなってしまうのでしょうか??
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