賛否の入り乱れたレビューと、実際に観た人からの「なんか、分かんなかった」というビビッドな感想を聞いていて、ややネガティブ気味・スルーで良しぐらいの印象だったのですが、信用出来る映画関係者の方が年間ベストテンに入れられたりもしており、よりケイオスに。
じゃあもうごちゃごちゃ言わんと観て決めたらええんや！と心の前田日明が凄んでくる。やむなし。観る。
因みに、『君の膵臓をたべたい』はどのメディアでも触れた事が無い状態で、なんとなくのイメージしか持っていません。
🔪
…観たら余計に分からなくなった。
面白くは無い。別段感動もしない。意味的な正しさが有るとも思えない。登場人物の誰かに思い入れたりもしなかった。
かと言って、他の方が感じられていたような不愉快さも特には感じなかった。最初の方で“独り言をハッキリ言うなぁ…”とか思ったけど、直ぐに慣れたし、そもそもこの作品の独自の文法の強度は、自分みたいな野次馬が揚げ足取ろうとしてもビクともしないくらいしっかりとしているようでして。とにかく製作者がその信念通りのものを100%実現させているのは窺えて、そこに関しては“良い”と言わざるを得ません。
大キライ！と言う人の気持ちも大好き！！と言う人の気持ちも、どちらも分かるような気がする。自分は…宙ぶらりんで、現状やや好意よりぐらいのポジション。
ただ、ハッキリしてるのは、主演の若者2人が彼らで無かったらボンヤリとも好意は持てなかったという事。
主演の女の子、初めて見たけど兎に角可愛い。輝いている！本人自体が発光している。でも、別に全然好きじゃない。このキャラクターの造形と女優さんの資質、理解度が、作品全体のギリギリファンタジックな空気を成立させているのは間違いないです。善し悪しはともかく。
男の子。初めて見たけど、兎に角“残念イケメン”感凄い。斜めがけのショルダーバックを腰まで下げて、肩紐両手でギューっと持ってるかんじは、WANIMA（っぽい人）に見つかったら即カツアゲだと思う。本人自体が黒い霧のようなものを発生させて、その中でのみ安心してる。その闇を光が照らし尽くそうとしてるみたいな、彼らの独特の掛け合いが映画の全てです。因みに（好みの差もあるとは思うのだけど）、この2人めちゃくちゃ声が良い。倍音？…分かんないけど。目を瞑って会話だけを聞いてみてください。凄くイマジナリーで驚くと思います。
で、彼らの会話の内容が好きなのかと言うと、全然それでもない…。
でも、この2人の相対する、陽と陰・ポジとネガ・エロスとタナトス・日向とツッキー（？）…なんかそんな対照的な心の有り様の、ラグランジュ点みたいな部分が、立体的な位置関係でたまたま自分に心地の良いツボだったのかもしれない。
これだけダラダラ書いて「かもしれない」で終わりかよ！…でもしょうがないの。読みにくいのも、勢い任せだからしょうがないの！
…ので、知人に観てもらって、その感想でレビューを締めます。取り敢えず。
★被験者Y.K。二十代（♀）
“映画は主に受け身で鑑賞。劇場では主に怪獣・ヒーロー物やステイサム。たまに心無い人に押し付けられて変なDVDを見る羽目になる。動物大好き。凛々しい。一人称はジブン”
「意外…と面白かったっス…。（フムフム）
自分が普段見ないジャンルなのに面白く感じたんだから、面白いんじゃ…？（ですよね）
あー、主人公の女の子が鬱陶しかったー。（ほうほう）
男の子の方が落ち着いててくれて助かった気がします。（確かに）
あと、“ガム要る？”の人が良かったw好き。（ガム要る？）
……タイトルのニュアンスが最後までピンと来なかったっス。（ね！）…伏線をちゃんと理解出来てなかったのか…。（求心力が及ばなかったという事ですかね）
でも、面白いんだと思います。点数は…
3〜5の上の方？（では、3.7とさせていただきます。）」
3.7点で御座います！
