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羊の木の会社員のレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.0
刑務所の維持費用や地方の過疎等、様々な社会問題解決の糸口を求めて始められた小さな田舎町のプロジェクト。それは、極秘裏に6人の元殺人犯を移住させ、一般人と同じ生活をさせるというものであった。
ある種の思考実験のようで、その入り口に牽かれて鑑賞。

元殺人犯という事実を知るのはごく限られた人間と観客のみ。そうした中で見る彼らの日常生活には、計り知れない緊張感が漂っている。
予告編にもあるカミソリのシーンは、それまでの細かい緊張を経験した後のピークであることから、手汗が止まらなかった。
終始ミステリー調で、彼らの行動に先が見えない分、演出は成功しているといえよう。

ネタバレは防ぐが、ラストシーンでは皆が視線やカメラを向けている。彼らもまた忌み嫌われる余所者か、はたまた守り神となりうるのか。随所に散りばめられた希望の光を、忘れてはならない。
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