ギズモX

エグゼクティブ・デシジョンのギズモXのレビュー・感想・評価

4.9
テロリストもので一番大好きな映画。
仰天ニュースでCMがかかる時に流れるBGMのあれ。
カートラッセル×セガールによる、アクション映画のアクションしない場面の良いところを詰め合わせた90年代密室テロリスト映画。

《過激派テロリストが巨大ジャンボジェットをハイジャックするテロ事件が発生。
テロリストの要求は逮捕された仲間の解放と空港への着陸。
しかし、情報部のグラントが掴んだ情報では、テロリストの本当の狙いは旅客機に超猛毒ガスを積ませてアメリカ本土を直接攻撃することだった。
着陸させるか、乗客を見殺しにして撃墜するか、そんな膠着状態の中で特殊部隊のトラヴィス中佐が一発逆転が狙える一つの作戦を考案。
それは輸送機も兼ねたステルス戦闘機で旅客機の死角から特殊部隊が侵入し、当旅客機を無力化するという文字通りの決死作戦だった!》

あのセガール出演作品なのにアクションシーンはたったの二回だけ、しかも主人公とテロリストの主犯格が実際に対峙するのは最後の一場面のみと言ったら、この映画の異様さが伝わるであろう。

特殊部隊が旅客機にへと侵入する際に予想外のトラブルが発生してセガールは早々と退場。
あらゆる装備を落とした特殊部隊はリソースが不足している上に内側からも外側からも途絶されてしまい、状況はあっという間に頭脳とテクニックをフル回転しないとクリアできない超高難易度ゲーム的な極限状態に。
危機が刻一刻と迫る中でエキスパート共らが全身全霊で攻略していくという、正義のヒーローが悪のテロリストを倒す物語とは主旨が大きく異なる、手に汗握るスリリングな意欲作となった。

"敵テロリストに占拠された機内の情報収集"
"攻撃ルートの確保と突入準備"
"毒ガス兵器と起爆装置の捜索"
更には
"起爆装置の解除"
"乗客の中に紛れ込んだ起爆係の特定"
"味方友軍機による撃墜阻止"

これが全部同時進行なおかつ丁寧に描かれていくので、アクションシーンやテロリストとの対峙が無くても全くダレない。
そして溜めに溜めての突入!
たった一度っきりの攻撃に全てを賭けるこの素晴らしさ!!
また、セガールが退場となってからはこれといった大どんでん返しもないため、主人公チームのガチンコ度にも磨きがかかっている。
ラストの伏線回収もグッド!

一番好きな場面はカートラッセルが秘密の起爆係が乗客の中に紛れていると気付いて、そのことを仲間に伝えるシーン。
それぞれの意見が飛び交う中で最も最善な策をとる、仲間との話し合いと連携が上手い具合に演出されているのもこの映画のいいところ。

「テロリスト映画と言ったら『ダイハード』!」
と言う人も多いと思うが、僕は今作がベストだ!
この映画みたいなゲームデザインの『COD』や『レインボーシックス』『MGS』がやりたいなあ。

"最後の賭け""アルファ1""10分"
"基本に忠実に"

余談

今作で悪役を演じたデヴィッドスーシェ。
つい最近まで『トータルリコール』や『スターシップトゥルーパース』に出演してたマイケルアイアンサイドだと勘違いしてました😅
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