カテリーナ

フェンスのカテリーナのレビュー・感想・評価

フェンス(2016年製作の映画)
3.5
日本未公開

デンゼル・ワシントン3作目の監督作品
原作はオーガスト・ウィルソン 1983年 発表の戯曲『Fences』
舞台は1950年代のピッツバーグ

監督は舞台でも主演を務めたデンゼル・ワシントン 共演は舞台でも同じ役柄を演じた ヴィオラ・デイビス このふたりの演技合戦はみどころのひとつだった
特にヴィオラ・デイビスは
彼女の出演作『ヘルプ』で南部の激しい人種差別のせいで瀕死の息子を助けることができなかった 母親の苦悩 を演じ たちまち
彼女に魅了された
今作では 長い間押し殺してきた夫に対する積もり積もった感情を吐露する場面や夫を支えて生きる強かさと包み込む優しさ更には何気ない日常の会話も1950年代に生きる女を実在感たっぷりに演じた
とりわけ 夫の突然の告白により天地がひっくり返るほどの衝撃は 過去の自分の体験と重なり 激しく動揺した その後の夫の独りよがりな言い訳にも怒りよりも呆れ果ててしまった いつの時代もどこの国に置いても なんと自分勝手な生き物よと嘆いた
女として妻として共感できる男の描いたシナリオの彼女の素晴らしさよ
カテリーナ

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