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女神の見えざる手のfujisanのレビュー・感想・評価

女神の見えざる手(2016年製作の映画)
4.1
ジェシカ・チャステインがロビイストを演じる作品。個人的には2022年に観た映画の中で上位に入る素晴らしい映画でした。

ロビー活動とは政府の政策決定に働きかけるのが仕事ですが、銃規制法案を廃案にするという会社の方針に反対し、大手企業を辞め少ないメンバーで闘いを続けます。


「自分の手の内を見せるのは、相手がすべての切り札を切った後。」

映画は、ジェシカ・チャステイン演じるロビイスト、エリザベス・スローンが後輩に仕事を教えるこんなセリフから始まります。

この映画、とにかく主人公の女性がカッコいい。相手が誰であろうと、たとえ味方であろうと100%信用せず、とにかく結果を出すことに全力で集中する。

アメリカでは全米ライフル協会が強大な影響力を持っているため、銃規制法案に賛成することで身近に身の危険も出てきますが、全く屈しません。

そして、脚本が素晴らしいのは、”銃を規制するのは彼女自身の過去で銃で辛い過去があるから”というような、安易な背景にしなかったこと。スローンは過去でもお金でもなく、信念のみで活動します。


もう一つ。エンディングが素晴らしいです。古い言い回しになってしまいますが「まさに肉を切らせて骨を断つ」。全く想像もしない終わり方を見せてくれました。

そして、後から考えると、ちゃんと彼女自身の発言の伏線が回収されています。


こ、、これ脚本誰?と思ったら、ジョナサン・ペレラ。調べてみると、脚本家ではなく元弁護士の英語教師なんだとか。可能であれば、是非次回作が観てみたいです。
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