だい

レミニセンティアのだいのネタバレレビュー・内容・結末

レミニセンティア(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

日本人監督による全編ロシアロケの現代SF。
ロシアロケとはいえ日本人監督だから日本の映画っぽくなるかと思いきや、寒色感の強い硬質なテイストは普通にロシア映画。
観念的で解決しないストーリーは、90年代あたりのSFアニメやSF・ADVゲームが好きな人の大好物なやつ。

「人々の記憶は網の目のように繋がってるから、君が忘れたら他の人も忘れる」
ミハエルの記憶の欠如は、ミハエルが消した誰かの記憶の連鎖かもしれなくて、

「ミラーニャはあなたの脳が作り出した偶像なの」
目の前の光景も、そこにいる自分も、自分の想像の産物にすぎないかもしれなくて、

忘れたことは人々にとって存在しないものになったら、
じゃあ忘れていないものは存在しているのかというとそうではなくて、
であれば自分の存在そのものが存在してるかどうかも定かではなくて、
ミラーニャのいないミハエルと、
ミラーニャのいるミハエル、
どっちがミハエルの現実で、どっちがミハエルの空想?
それともどっちも空想?

夢の世界では自分はその世界が全てだけど、
外から見ればただの寝顔だってさ。


この映画を観てる自分自身がさ、
現実の姿かどうかは誰も言い切れないんだよな。
だい

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