だい

ビリディアナのだいのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
1.9
登場人物がほぼ全員清々しい程のクズで、
マジでもはや観てるこちらまで清々しい気持ちになるレベル。

ただしストーリーは一から十まで徹頭徹尾胸糞。


結局ねぇ、
自分一人が勝手に信仰するのは別にいいんだけど、
他人に何かできるとか、
他人に信仰させるとか、
そんなんは全部欺瞞でしかないんですよ。

信仰とか理想とか、
そんなんは持てる者の精神的・時間的余裕を埋めるもんに過ぎないのよね。
食うや食わざるやの状況にある生物にとっては、
どんな理屈よりも目の前の飯のほうが上位なのだ。

信仰したふりをしときゃ飯と宿にありつけるなら、
そりゃ信仰したふりするわな。

信仰をさせようとする側は、
そこにどんな結果を期待する?



主人の息子が始めた工事で、一生懸命働く人夫たち。
ビリディアナを囲んで祈りを捧げる浮浪者たち。

同じ敷地内で小刻みに交互に映し出すカットがクレイジーすぎて面食らったけど、
最後まで観るとあれが結局テーマなんだなとか。

敬虔なビリディアナは、
食べ物にありつくためにとりあえず祈って、あとはブラブラしてる人たちを招いて、
不信心でろくでなしの息子は、
自分の食い扶持を稼ぐために一生懸命働く人たちを招いた。

どっちがより神の教えに沿うんだろうな?
ってそんな話。


ぼくはクリスチャンではないし、そんなに詳しくもないのだけれど、
汝の隣人を愛せよ。
というのは、
愛するためにまずは隣人の目線に立って理解する所から始まると思うのだ。

わたしが教えてあげます。
そんなんは愛じゃないのだ。
だい

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