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ビリディアナのmingoのレビュー・感想・評価

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.0
バチカンをブチ切れさせた問題作。ハレルヤを聴くともうこの映画しか思い出せないくらいにはオープニングの爆音コーラス最高だし強烈。皆殺しの天使の方が後に作られてるだけあって現代美術としてビルドアップされて皆殺しの方が優れているか。表現の挑発度は本作の方が高し。ブニュエルにとって「秩序」という存在も言葉自体も意味を成さないし、考えるだけ無駄なのかもしれない。シルビアピナルのネグリジェでエロスを見せたかと思うと予想を反する流れに呆気をとられる。そして縄跳び少女は見た!に爆笑。反キリスト教映画として上映禁止になったことが有名だが、ブニュエルは自身のことを無神論者と語ってるにもかかわらず、相反する感情を抱いていたように感じる。「最後の晩餐」パロディよりやはりラストのカードゲームを直線の引きで終わらせる演出はビリディアナを手中に入れたホルヘが叔父の敵討となったということと、物語のループを感じさせるからますます怖い。
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