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ヘッド・ショットのRenのレビュー・感想・評価

ヘッド・ショット(2016年製作の映画)
2.0
『ザ・レイド』未見なので、初めて観たイコ・ウワイス作品がこれになった。明確にアクションを見せたい映画だから何だっていいとは思うが、要素がそれだけだと飽きてしまう....と改めて感じた。

アクション展覧会を「映画」としてパッケージするために申し訳程度のストーリーで繋げ合わせたような。イコ・ウワイスファンやとにかくアクションを見たい客層に対してはこれで正解だろうけど、どちらでも無い自分は「YouTubeにあるようなアクションシーン切り貼り編集まとめ動画との違いって何だろう....」という思考のほうが大きかった。

冒頭、蜂の巣にされてもしぶとく動き回る人間が登場して、こういう生存力の人間が生きる世界なんだと思ったら普通に頭を殴られて死ぬ奴も出てくる。展開上、生死の選択が都合良く行われている感じ。
アブディ(イコ・ウワイス)の近接格闘は迫力のある肉弾戦というよりは型とか演舞を見ているよう。加えて、彼が予想以上に無敵ではなくボロボロになるのは良かったが、彼が相手よりどう優っていてどう機転を効かせたから勝ったのかの説得力が一つひとつ弱かったようにも感じた。見てたらなんとなくアブディが勝ってた、みたいなことが何度もあった....。

あと長い。この上映時間に値するだけ語ることがあったかなという視点で観ることはするが、無かったので90分以内にまとめほしかった。

一番好きなのは、アイリン(チェルシー・イスラン)が女の子と一緒に脱出を試みるシークエンス。銃をぶっ放す爽快感が、前述の演舞的格闘とは空気が変わって楽しめた。その後の、アブディのアクションにはピントが合わずにずーっと物陰で怯えるアイリンの表情を捉え続ける演出も良かった。

その他、
○ イコ・ウワイス、ポスターからもっとヤンチャでRIZINに出てきそうな俳優を想像していたが、織田裕二とジェレミー・レナーに似ていて少し予想外だった。
○ 黒幕がハ・ジョンウっぽい。
○ バスの窓を突き破って回転しながら飛び降りたのに合わせて、カメラもぐるっと一回転する演出が面白い。ただ面白カメラワーク演出はこれくらい。
○ 仮にも殺しのプロが、あの近距離で何発も外すことある?
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