くわまんG

ヘッド・ショットのくわまんGのレビュー・感想・評価

ヘッド・ショット(2016年製作の映画)
3.0
インドネシアにもジェイソン・ボーンがいた。

みどころ:
開幕即無防御撃合全員死亡
ラスボスの存在感と戦闘力
勢いよく飛び散る血しぶき
ベタでアツい脚本
感情移入できない雑な演出
死んでる伏線が目立つ
だらだら長すぎる

あらすじ:
インドネシアの離島で働く女医のアイリンは、海岸に打ち上げられていた身元不明の男性患者を担当していた。連日夜通しの治療が実り、“イシュマエル”という仮名をつけられた彼はついに目を覚ます。記憶が失われていたものの、優しい好青年のイシュマエルとアイリンは、次第に関係を変化させてゆく。
ところがすっかり回復したある日、アイリンが暴漢に襲われさらわれてしまう。そのとき、イシュマエルの体は“殺しのメソッド”を思い出し、脳内を凄惨な記憶の断片が駆け巡った。転がるゴロツキの山を後にし、熾烈な闘いに身を投じるイシュマエルなのであった……。

拳銃なんて雑魚専用!シラットの前では無力!

いいですね~「魅せるよりも殺す!」アクションなので、無敵じゃないけどむちゃくちゃ強い、玄人好みの戦闘力であります♪

お話としては、「記憶喪失してるけど実は超強い」という主人公の鉄板中二設定や、極悪鬼畜なラスボスが武闘派なのがアツかった。 “主人公と関わり深い順”で出てくる刺客たち(プロレスラーはいらん笑)を倒してくってのも、ベタで楽しいですね。

しかしこの映画、何と言っても致命的なのは主役に感情移入できないところなんですよね。一番大切な“主人公とヒロインの距離”が、最初からあまりにも強引に縮まっちゃうもんだから、最後までつまずき続けて入り込めない。無料で治療したまでは医者の鑑だとして、患者の個室で寝泊りするってのはもう異常行動で、共感できませんわな。そんな変人に「絶対君のもとに帰るよ!」と迫る主人公にもついていけません。ヘルパー役のじいさんも乱暴に扱われてましたねぇ。

『るろうに剣心』形式で順番に出てきては「本望だぜ…」と果てていく敵さん達や、主人公ラブだったラスボスにはノれるだけに、もったいない。もう少し基礎構造が丁寧もしくは大袈裟だったら、イシュマエル→アブディ→イシュマエルのくだりでアツくなれたろうになぁ。