もじゃ

オリエント急行殺人事件のもじゃのレビュー・感想・評価

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)
3.5
「騙せない者が2人いる。神とエルキュール・ポワロだ」

アガサ・クリスティ原作の推理小説映画化。探偵エルキュール・ポワロは豪華寝台車の殺人事件を解決できるか?

有名作品ということで原作のイメージは大事だし、過去の映像化との違いを見せなければならない。難しい題材ではあったと思う。
違いは超豪華キャストに見出したか。主演級の有名俳優たちがたちが次々と列車に乗り込んでくるシーンはワクワクした。これは主演・監督のケネス・ブラナーの人徳かもしれない。「主演は俺」ならばポワロのイメージから遠くても仕方あるまい。なかなかイカツイ印象のポワロになっている。寝てる時の髭カバーは可愛かったけれども。
作りとしては冒頭、エルサレム~イスタンブールの辺りでポワロが優れた探偵であることを説明するシーンがイマイチ頭に入ってこなかった。列車が出発するシーンは美しく、中盤に進んでいく転換点なので印象的。監督としてのケネス・ブラナーは撮影に意欲的なのか、列車を外から撮って後ろから前まで流したり、車内を真上から撮るなど、何かやってやろう感がある。終盤、機関車の前で謎を解き明かすシーンは舞台演劇を意識していそう。人物のアップを多くしたのは風景の変わらなさを役者の力で補いたかったのかもしれない。
ケネス・ブラナーの、ポワロへの意欲を感じられる作品。
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