恥と外聞

THE BATMAN-ザ・バットマンーの恥と外聞のレビュー・感想・評価

3.5
尺が長いからこれでもか、と細部まで雄弁に語ることができる。

何となく単発なら「言わないのが美徳」、シリーズならクリフハンガーに持ち込むとか、そういう共通認識みたいなものに落とし込みがちなところでダレずに集中できる画を提示し続けるのは流石。

その余裕ある尺の中で『セブン』なサイコ・サスペンスもあればナイトライダーみたいな登場から始まるカーアクションもディザスターもあり、雨続きの暗い画面でテンションは上がらないながらもゴッサムシティを立体的に楽しませる遊園地的な面白さが良かった。

マスクの大きな開口部に合わせた髭の生え具合も良い感じでしたね。

一時代を築いたグランジシーンから大名盤の不穏なトリを飾る“Something in the way”を引用した結果、どす黒い孤独が今も変わらずヴィランの動機として、大きなテーマを示す表現としてむしろ深みを増していると実感させられると辛いものがある。

最後にこじつけの連想だけどゾーイ・クラヴィッツさんの実父、レニー・クラヴィッツってカート・コバーンと意外と歳が近い。
時間の流れ、エグいすね、、