もじゃ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのもじゃのレビュー・感想・評価

4.5
「俺は復讐だ」

またもリブートしたバットマン。DCだけど、DCEUではない?多分。ゴッサム市長が殺害された!バットマンは犯人のリドラーを捕まえられるか?

陰鬱でダークな雰囲気。「ダークナイト」も暗かったけれど、ヒーロー的派手さがあったが今回は無い。ブルース・ウェインがひたすら暗い。陰キャだ。キャットウーマンの着替えも覗いちゃう。能力も人の域を超えていない。上手に飛べないし助けてもらうしバットラングは投げずに普通にナイフとして使う。テーマとしてはマスクを取れば(Unmask)復讐に生きるのは同じ、ということか。

映像はとても印象的。オレンジと黒の対比。良い音楽と相まっている。ずっと雨降ってるし、話の作りが「セブン」に似ていて監督はデビット・フィンチャー好きなのかなって。暗闇でマズルフラッシュで照らされる絵は「リベリオン」みたいだし、リドラーはジグソーみたいに振る舞ったり、インスパイア元をなんとなく想像する。カーチェイスシーンは凄かった。ピント合うのがサイドウィンドウだけでドライバーも後ろの車もボケてる映像を使うセンス。そして逆さになって見るバットマンの格好良さよ。

暗いブルース役のロバート・パティンソン。1回も笑顔がなかった気がする。大人になって美形だけではない色気がある。
キャットウーマンのゾーイ・クラヴィッツは頭の形とウォーキングがイイ。ベリーショートでハル・ベリーに寄せた気がする。
ペンギンのコリン・ファレルはもうわけわからん変身ぶり。

構成について、175分と長いけれど、なぜかそれを感じさせない没入感があった。ここまでがセットアップ、ここからが中盤で〜みたいな切れ目が見えないシームレスさでゴッサムを体験出来た。話の盛り上がりやスタイリッシュさの薄さは置いといて、この没入については脚本が優れている故と思える。

ヒーローの派手さは捨て去ったな、っていう作品。
もじゃ

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