Ootzca

汚れたミルク/あるセールスマンの告発のOotzcaのレビュー・感想・評価

4.0
面白かったとは軽々しく言い難い重いテーマを題材にした映画ながら面白かったというのがまずはの感想

パキスタンの国産医薬品会社で働くアヤンは多国籍企業の大手に営業として転職し働き始めるがその途中で知った残酷な現実を目の当たりにし一人立ち上がる…

というのが話のあらすじ

実話をベースにそれをドキュメンタリー映画の製作クルーがアヤンに聞き取りする形で検証していくのが映画になっているという少し変わった作りの見せ方がまず良かった

ガツンとした社会派ドラマながら、しっかりエンタメ性も含んだ演出も飽きなかった

汚れたミルクという邦題も、Tigerという原題も、鑑賞後には色々な意味を持つ言葉になるので、タイトルも非常に良いなと

ここ日本においても同じ事が起きているのだけれど、グローバリズム(新自由主義)が生み出したものの一つに貧富の差の拡大があり真っ先に犠牲になるのは小さな子供たちや老人といった弱者や富を持たざる者ばかり

あまりにも残酷なこの世界で、未来を担う小さな子供たちのために我々は何を成すべきなのか?考えさせられた

映画の中でこんな台詞があった
「正義より平和を選ぶべき時もある」

でも、正義なき平和など有り得ないと思うし、時には平和より正義を選ぶべき時こそあれ、その逆は、もはや国家権力に飼い慣らされた奴隷に過ぎないし、それを民主主義の死と呼ぶのではないだろうか
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