変態の変態による変態のための変態映画
4Kリマスターの無修正版ということで久々に観ました
昔はほとんど理解出来なかったものが、ほぼ理解出来るようになったのは、私が成長したからなのか単に歳を取ったからなのか、それとも自分自身の変態性に自覚的になったからなのか、ともあれ理解は出来ても、一切の共感や感情の共有は全くありませんでしたが
とりあえずコンプライアンスとか倫理や道徳、モラルといったことを抜きにして観れば、なかなかよく出来たエロティックSFスリラーだと再認識
これはJ.G.バラードが原作のあくまでもSFなのです
交通事故によって自動車がクラッシュした姿に性的興奮を覚えるという倒錯したフェティシズム、機械が変形してしまうことへの興奮
例えば、タトゥーマニアやピアッシングマニア、或いは緊縛や拘束による肉体の変形に、性的興奮を見出す方達と、自動車という機械が壊れ変形すること又は自動車事故そのものの瞬間へフェティシズムとエクスタシーの間の隔たりは、それほど大きなものではないのでは無いのかも知れないなとも思いました
自分には特殊な性癖はない、こんな変態世界は理解出来ないと感じていても、実はその普段の何気ない一挙手一投足の中にこそ、フェティシズムとは案外潜んでいたりするのかも
