ベルサイユ製麺

なっちゃんはまだ新宿のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

なっちゃんはまだ新宿(2016年製作の映画)
4.1
そんなの別に気にして無いし、どうでも好過ぎる事なのだけど、わたしいつも頭の中で「しにたいしにたいしにたいしにたい」って呟きがループしてて、それで今作観てたらさらに倍、「しにたいしにたい」の上から「しにたいしにたいしにたいしにたい」って二重にかぶさってきてとっても焦ってしまったのだよ。永遠の定番“しにたい”の二枚使い!更にダブMIX!一気にカミソリ何枚呑み込んだんだ…って感じっス。それで更に心臓が強く打ちだすものだから、あっちこっちから血や透明の液がピューピュー。
因みに「しに…」には重みも実効性も何にも無くて、単なるおまじない、御守りの様なものです。御心配無く。これのおかげで、本当に「しに」たくなったり、「ころ」したくなったりしないでいられます。でも、形は違えど、誰しもその様なものにすがって生きているのではないかしら?例えば、“あの人が、殺してくれるまでいきていよう”とか…。

夏の校舎、他愛の無い会話、砕ける日差し。脈動するスピーカー、いつか一緒に見たスピカ。
そのどれもが、眩しさの裏、影の中に一発必中の殺し屋を匿っている。遠いあの日から狙いを定めている。ブルースナイパー・ブルーハンティング。

岡田くんのなっちゃん
あきちゃんのなっちゃん
誰かの誰か
わたしはだれのだれなんだ

綺麗に決着してしまいたいけど、現実はいつでも仮定の過程の仮定の過程の…いつも時間切れで、とにかくだらしなく、グンニャリ終わるよね。いつもスプリット。バイバイまたね。



…この映画、凄く突飛な事を描いている様に見えてしまうけど、実際は心の奥の、裏の裏ではこんな事がいっつも起こっているとも思えて、それを(かなりトリッキーながらも)ちゃんとストーリーに置き換えてしまう事、心象を具体的なイメージで現出させる事、それらを危うくて故に美しい、結晶の様な作品に帰結させた事。全てが奇跡の様に感じられました。前後不覚のまま、ハレーションの中に飲み込まれてしまった。途方も取り留めも無さ過ぎて、きっと、例えば大事な何かを捨てるとかしないと、ここから無事には出られないだろう。それかついにあのスナイパーが…。

以下雑感。(ここまでも雑感だろうによ!)
⚫︎なっちゃん,あきちゃんは単なるクリシェなのだろうか?『500日のサマー』オマージュ?
⚫︎夜の新宿が益々、怖くなった。“捨てる”という事を抱え込みすぎた。南口のあの坂、降ったことしか無かったな。
⚫︎夢と分かる夢、ホントに有るよね。そのこと言うと夢のキャストたち、一瞬ギクッとするんだゼ。
⚫︎でか美ちゃん可愛い。実は一番好きなタイプ。ゆうこすは割と苦手なタイプ…。
⚫︎シューゲイザー風味のパワーポップ、ずーっと好き。いつから?何で?
⚫︎食べ物を粗末にして悪になってしまいたいときが有る。でも未だ善人ぶって生きたいのだ。
⚫︎アヴァンタイトル優勝!自分は未だに、自分のタイトルにすら出くわしてないよ。
…今は一先ずこんなとこです。いつか、生きて感想を終えられるかな。

「…しにたいしにたいしにたいしにたいしにたいしにたいしにたい…」
って言う、心のこいつをころしたい。

※作中、生きるだ死ぬだの話は一切ありません。勝手に過感応してるだけです!
このレビューはハッキリとゴミ屑で、しかしゴミ屑がもう一段下のゴミ屑になってしまうほどの破壊力を感じた、という事であります。レビューはともかく作品には興味を持ったという方には是非、愛に満ち、真摯でマーベラスなレビュー https://filmarks.com/movies/70691/reviews/36806469 をお読み頂きたいです。(併せて読んで頂ければこの愚文も多少マシに見えてしまうのでは、という打算…)無許可!
そもそもこちらのあんじょーらさんにご紹介いただいた作品なのでした。大切な作品に出会えました。本当にありがとうございました!オンニキマス☻