あーさん

シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎II ワンピースのあーさんのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

シネマ歌舞伎 2022 第7弾

この手の人気漫画を歌舞伎化した作品を観るのは初めてだったので、ちょっぴり心配しつつ鑑賞。。

これは、、歌舞伎というより名前の通り、スーパー歌舞伎!
結論から言うと、歌舞伎風 コスプレお芝居を観た感覚だったけれど、原作の良さも手伝って、サイコーのエンターテイメントになっていた❗️(歌舞伎通はちょっとびっくり⁈)

猿之助さん(この時、亀治郎さん)キャストとして、演出として、座長として、ええ仕事しはりましたなぁ。。ブラボー!
許されるなら、劇場でスタンディングオベーションしたかった ♪♪
2016年当時、舞台が大評判でチケットが売り切れ続出!というのもわかるなぁ。。


【あらすじ】

ルフィを筆頭に、桃太郎式に増えていった仲間達"麦わらの一味→ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ニコ・ロビン、フランキー、ブルック。
ワンピース=ONE PIECE →'ひとつなぎの大秘宝'を求めて大航海する一行が辿り着いたのは、シャボンディ諸島。そこでは、当たり前のように奴隷売買が行われていて、人魚のケイミーを助け出そうとした麦わらの一味は天上人に逆らい、天の一声に海軍(相変わらず "正義"と書いたマントが印象的!)が乗り込んでくるのだったが。。

一方、ルフィの兄貴分のエースも白髭海賊団内での諍いが元で、インペルダウンでの公開処刑が言い渡される。ニューカマーでエンポリオ・イワンコフの仲間からそれを聞いたルフィは、黙ってはおられない。エースを助ける為に、助っ人に加わったニューカマーの面々、ボン・クレーやイナヅマ達と共に、海軍相手に壮大な戦いを繰り広げるのであった。。

"エース、待ってろよー!"

海軍のセンゴク・黄猿・青猿・赤猿、バーソロミューくま、海底監獄署長マゼラン、ジンベエ、白髭海賊団、女ヶ島のハンコック、そしてシャンクス。。(懐かしい〜!)錚々たる登場人物がルフィを援護、そして敵対して現れては激しく、華々しく、時に切なく、命の火🔥を燃やして戦うのであった。。

兄貴分だと思っていたエースの衝撃の出自、そしてルフィの生い立ち。。

一体、どうなるのか⁈

【キャスト】

登場人物の再現は、女性陣含めさすが歌舞伎俳優!麦わらの一味、ニューカマーの人達に至っては物凄く寄せていて、誰一人違和感なし!
特にボンちゃん役の巳之助さん(坂東巳之助)の熱演は、巷で当時話題になっていたらしい。。本当になりきっていて素晴らしい!(そして驚異の身体能力!)
エース役がこの人誰⁈ と思ったら、福士誠治!何?ちょっと、めっちゃカッコいいやん♪ ドンピシャやったなぁ。。
他にもイワンコフ役の浅野和之がレオタード姿で"バターシは…"のセリフや身のこなしが、まさに性別を超越!!こちらも熱演(怪演⁈)。もう、大好き ♪
ルフィ役の猿之助さん(市川猿之助)のビジュアルはちょっと苦しかったけど笑、あの前向きなセリフ回し、リーダーとしての存在感に溢れていた。その上、一人三役!ルフィとハンコックに加えてシャンクスも。。(やり過ぎやろ!)サンジとイナヅマ役の中村隼人(この方、これから歌舞伎界を牽引していくんだろうなぁ〜色気がすごい!それにしても大立ち回りで見得、何回切りました?笑)の二役、巳之助さんのボンちゃんとゾロ、白髭団のスクアードの三役にもびっくりだけど。→見せ場がものすごくある役の上に、なのでどないなってんのや!の世界。
白髭役の市川右團次さん(この時、右近さん→うーちゃん♡)もものすごい貫禄で、微動だにしない最期のシーンは、感動的やったなぁ。。
他にも要所要所に、歌舞伎界の重鎮、中堅役者さんがガッチリ固めていて、ダンスシーンなんかもしっかり見せてくれるのが素晴らしかった。さすが、伊達に歌舞伎やってまへんで〜

【演出】

こちらも、本水(ほんみず→水を使った大掛かりな演出)、宙乗り、火が吹いたり氷ったりプロジェクションマッピングを使った大胆な演出、あのほっそい花道でのアクション、舞台の前方・後方の舞台装置が上下して役者が出てきたりいなくなったり、、もう縦横無尽にこれでもかー!という凝った演出のオンパレード。
コロナ前だから当時の舞台バージョンでは役者さんが客席に降りてきて踊ったり握手したり、、もう大騒ぎ♪
シネマ歌舞伎公開日?は、サイリウム振って一緒に歌うのもアリ、みたいな回もあったりして、楽しい楽しい ♪
唯一歌舞伎らしい効果音、ツケも鳴りまくりでしたわ〜
(ルフィの戦い方が、敢えて?めちゃ省エネなのが笑える!ゴムゴムの演出も時々出てきて、一体どうなってるの⁈漫画⁈となった笑)

【メッセージ】
いっぱいいっぱい名言あったし、沢山沢山感動するのだけれど、敢えて言うなら、白髭の親分のセリフ、
"目や前のくだらねえことに一生懸命になってる間に、人は夢を見なくなってしまった…"
目先のことに囚われて、こせこせしてる現代人には耳が痛い一言。
海賊王になるってことは、そういうことなんだなって最後に思わされる。(本当の意味で)夢を追いかけることの素晴らしさを思い出させてくれるセリフだった。。

それから、忘れてはならないルフィとボンちゃんとの友情、仲間達との絆。
結局、危険を顧みず助けようとするのは、シンプルに"ダチだからよ"。
ルフィがリーダーたる所以、ルフィの周りに仲間が集まる所以だなぁと。
今の世の中にも、ルフィのようなリーダーが欲しい。。

こんな仲間達がいたらなぁ、と思わせてもらえた夢のような時間だった!!
子ども達と一緒にワンピースに夢中になっていた時のことも思い出し、あの頃はこうだったなぁ…等とても温かい気持ちになれた。。
(結構、内容も忘れているようで覚えていて、覚えているようでいて忘れていて笑
私がイワンコフ大好きだったことは、覚えていた!!)





上映時間約3時間は、大人の私にとってはそんなに長いとは思わなかったけれど、こちらは編集してこの尺だから、舞台を観るのは小学生高学年未満のお子さんは大変かも⁈
だけど、ゆずのテーマソング“TETOTE"はとてもノリが良く楽しい曲で、時折挟まれるようになっていて、お子さんでも飽きない工夫もされているなぁと思った。
色んな世代の方々に歌舞伎座に足を運んでもらう入り口としても、全く別のジャンルの舞台作品としても、とても素敵な作品になっているので、もしどこかで観る機会があれば是非 ♪
ワンピースの漫画がお好きな方であれば、スルッと世界観に入り込めること請け合い!全く知らないと、少し置いてけぼりになるかも?アウトラインだけでも、知っておいた方が良いかな。


次回のナウシカ(前編・後編)もアニメではなく原作のコミックスの方を元にしているとかで、楽しみ〜♪
あーさん

あーさん