「まるで人生は悪趣味な冗談さ」
『アス』を撮ったジョーダン・ピールの監督デビュー作。やっと観れた。
これも面白い。『アス』と似ているようで、ちょっと違う。
黒人カメラマンの彼氏クリスと白人彼女のローズ。
ローズの実家で週末を過ごすことに。ただローズはクリスが黒人だということを家族には伝えておらず。しかしクリスを迎えたローズの家族はクリスに対して全く驚くこともなく…。
あぁこういう違和感がずっと続くの面白いな。
「オバマに3期目があればパパは投票してる。パパは差別主義者じゃない」
「アフリカ系アメリカ人は有利かな?それとも現代社会では不利かな?」
次作『アス』は人種問題と格差、特に黒人同士での格差問題を扱っていたけど、『ゲット・アウト』はもっとシンプルに黒人と白人の問題だった。
ローズの実家へ向かう途中からずっと違和感。
鹿も警官も。あぁローズよ。警官と対峙したときは「いいね!」って思ったのに。騙されたわ。
鹿ものちに大事な場面で出てきたけど、きっと「鹿」にも意味あるよな。
ホラー映画というほど怖くはない。驚くシーンはあるけど。それ以上に面白いし、ニヤッとしてしまう場面もいくつか。いろいろ含みがあって観終わった後(これを書いている今)いろいろと考えるのもとても楽しい。
人種問題。特に黒人を搾取してきた白人。それは労働力だけでなくカルチャーも。そういう歴史についてなんだろうなと。
脚本も面白いし、後半バンバン畳み掛けてくるし。映像もいいし不安を煽る音楽も。
そして時間は104分とコンパクトでスッキリ。こういう映画好きだなぁ。
タイトルが『ゲット・アウト』なのも納得。
大好きなラキース・スタンフィールドが出てたのも嬉しかった。
クリスの親友ロッドいい奴だったな!
あぁ、ローズ…。ちょっと好きになったのに…。
この後もう一度『アス』が観たくなる。
ジョーダン・ピール、やっぱり好きだわ。
しばらくティーカップの音が気になりそう。