原作既読。
原作通り重く、暗く、苦しいストーリーで、井浦新と瑛太の死んだような目が素晴らしい。長谷川京子と橋本マナミは演技というより本人の持つオーラというか、長谷川京子のどこか嘘くさい雰囲気（すみません）とか、橋本マナミの美人なのに崩れたボディラインがやたらとリアリティがあって良かった。
ディテールも良くて、瑛太や平田満の小汚さはものすごくリアル。あの汚いブリーフを見ただけで反射的に嫌悪感が…。
ただ、子役時代の描き込みが足りないと思う。美花役はもうちょっと色気のある美人が良かったし、輔と信之の関係も描けていないので、あんなに邪険にされていたのになぜそこまで慕うのか映画だけでは伝わらないだろう。
またラストも南海子がその後どうしたかもわかりづらいかも。
そして何よりこのBGM。狙いは何となくわかる気がするけど、もしこの音から感じる不快感を演出と捉えているのなら限度を超えている。演出はあくまでも快適に映画を鑑賞できた上で感情を動かすものだと思うけれど、あのBGMは映画観賞自体を不愉快にするものだった。
