ベルサイユ製麺

光のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

(2016年製作の映画)
2.9
…別に、止む無く映画のタイトルが他の作品とダブっちゃう事くらい有ってもしょうがないと思うのですよね。タイトルって、映画の顔みたいもんだから、そうと決めたら何かあっても易々と代え難いとも思います。
…でもですね。
凄く近い時期に、全くおんなじタイトルの、評価のすこぶる良い作品が存在する場合とかはどうかなぁ?しかもジャケット見ると、“光”の文字色とフリーハンドっぽい字体まで似てて…。これじゃあなんか、家系っぽい店構えで間違えての来店を期待してるラーメン屋さんみたいに思われちゃいませんか?それでも満足出来たら凄いけど!

25年前。小さな島の出来事。
少年Aは、惚れていた少女Bが村の男とまぐわっているところを目撃。少女Bに言われるままその男を絞殺してしまう。少年Aと少女Bの凶行を、なんとなく知っている少年C。Cはまだ幼い…と言ってよい年端だが父親にしょっちゅう打たれていて居場所がなかったから、Aの事を兄のように慕っていた。
ある日島に大きな津波(fuck!)が有り島の殆どが亡くなった…。
それから25年後。現在。
Aは公務員。妻と娘がいる。
Bは女優。ミステリアスさで人気。
Cは解体工。こっそりAの妻と定期的にまぐわっている。最底辺の暮らし。父が未だに金をせびりに来る。

この作品、物凄ーく“役者が始めて撮った映画”っぽいです!事実途中まで弟さんの大森南朋さんと混同してたくらいです…(監督も役者仕事はされますが)。例えばライアン・ゴズリングの監督作『ロスト・リバー』みたいな雰囲気と言えば伝わるかしら?撮りたいシーンのビジョンが強く有り、それを繋ぎ合わせるためにストーリーを作った、みたいな。因みに『ロスト・リバー』は結構好き。良いシーンが結構有った。で、この作品の場合は…。

個人的には役者さんが余り動かずぎゃあぎゃあ言うタイプの映画は苦手です。どんどん醒めてしまう。うるさいなぁ。あと、ものすごーく失礼な事を承知で書きますが…そんなにパッとしない映画でハード目の濡れ場を演じる事になる女優さん可哀想だなぁと思う…。
全体的に余り好みではなくて、でもちょこちょこと好きな部分もありましたよ。井浦新と瑛太がアレな感じなのはなかなかの趣向だと思います。井浦新の、心を搭載し忘れたような面持ちはなかなかなんですけど、そもそもと言うか…。
アングラっぽいショットが挿入されるのも、監督の出自の事とか、なんか色々考えさせられました。トータルで見ればとにかくガッタガタで、物語になって無いなーと思います。なので、ちゃんと原作がある事、それが三浦しをんさん作である事にとても驚き、反面、腐っている事に納得もしました。
原作が『光』なのなら仕方ない。でもなんで『光』なのかはよく分からなかったよー。
人によってはコッチこそが『光』なのでしょう。少なくとも監督にとってはそうであってほしい。
ところで、多くの方が唖然としたであろう劇伴なのですが。…ジェフ・ミルズ!!神!何度も聴きに(踊りに)行った、大好きなDJです。でも、ストイック過ぎて劇伴仕事には向いてないかなぁ。フロアーでは創造神みたいでひたすらカッコいいのだけどね。

特に描きたい事が思いつかないです…。いつもと同じに見えるかもしれませんが、我ながらダメなレビューに自己嫌悪です。

♪困った時のitunes 検索頼み。良い『光』を探そう!
私のライブラリーの中に『光』という曲は三曲。(もっと有ると思った)
ランタンパレード、銀杏BOYZ、折坂悠太によるものでした。折坂悠太は真性の天才です。
よって、オススメは折坂悠太の『光』ってことで!
…あと、普通に河瀬×美監督のやつが良いと思います!