【まとめシネマ】#646
【まとめ】
* 時代の流れと新人の勢いに、葛藤
* 伝説のハドソン・ホーネット
* 挫折と決断のクロスロード
「カーズ」シリーズ三作目。
本作は、ベテランの苦悩と新人の活躍を描いている。
「カーズ」シリーズの主人公、マックィーンは「ピストン・カップ」で7回の優勝歴のあるベテランレーサーにまで成長していた。威厳を放っていたある日、新世代のルーキーたちに惨敗。さらに、同世代のレーサーが次々と引退することに。自分の居場所に焦ったマックィーンは、勝負レースで大クラッシュをしてしまう。
マックィーンのスポンサーが運営するレーサー育成施設で、若きトレーナー、クルーズと出会う。クルーズの特訓は独特で、マックィーンは時代の流れと共に戸惑う。その時代のスターも、時代の流れでベテランとなり「引退」の二文字に葛藤する。そして、若きトレーナー、クルーズも、挫折の過去を持つ苦労人。夢を追いきれなかった新人の描き方も、胸に刺さる。
「1」ではマックィーンの師匠として活躍していたのに、前作「カーズ2」ではほとんと描かれなかったドック・ハドソン(ハドソン・ホーネット)を、今回は重要なキャラとして登場する。
今は亡き彼の偉大さを、当時共に競い合ったライバル達が酒場で語り合う。他にも彼の思いを描いている場面も多い。彼の伝説を尊重し、今でも続いている師弟関係の受け継ぎ方が素晴らしい。
本作は、活躍したベテラン、これからの新人に共通する挫折と決断を描き、そこから生まれる新たな道に向かう引退作だ。
世代交代を「クロスロード」と言うセンス、好き。