ベルサイユ製麺

亜人のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
3.2
アジアン・ンフージェネレーション、略称アジンです。“ンフー”は感情です。


…亜人は、原作をちょっとだけ読んでいて、それの実写劇場版のつもりでレンタルしたのが『東京喰種』だった、という事があり、個人的には勝手にちょっと因縁を感じております。因みに『東京喰種』は余り好みではありませんでした…。喰喰種はググると読みますか?

待望の鑑賞となった『亜人』ですが、
面白かった…です。これだけでも別に良いのですが三行ほど後から感想を軽く書こう。そうしよう。ンフー!



☆あらすじ☆
現代。物凄く低い割合で、“事故死してもまっさらの状態で生き返る”人間がいる事が判明。彼らを亜人と呼ぶ事にした。国家は彼らを保護するという名目で確保・隔離したが、例えば日本では人体実験のていの良い実験台にされていたりした。
主人公の青年、永井はごく最近亜人で有る事が判明してやはり実験台として死にまくり生き返りまくっていた。突如、佐藤と名乗る武装した亜人が実験施設を強襲、仲間になれと誘われるが非道な佐藤(韻)に共感できず混乱に乗じて逃げ、隠れている。佐藤は仲間と武装蜂起し、国家を相手取ってテロ、普通人間に対する侵略戦争を企てる。永井はどう動く…?
だいたいこんなです。感想は…

ンフー!ポイント① ☆めっちゃ早い展開
ど頭からめちゃくちゃ端折って進行します!原作の膨大な情報量を処理するためにやむを得ないのだと思いますが、そのおかげで目が退屈しません。反面、犠牲になっているのは人間描写なのかな…?主人公は登場の瞬間からモルモット状態なので、どのような背景、性格を持つ人物のか余り説明・描写されません。いきなり妹が出て来たりします。その為、感情移入がしづらい…。一方で、悪役の佐藤は物語を動かす側なので登場シーンも多く、行動原理やモチベーションもはっきりと見て取れる。個人差はあるでしょうが“ノレる”のはこっちでした。意図的?

ンフー!ポイント② ☆めっちゃ説明しない
亜人さんのルールが分からない。死で身体をリセット出来るタイプの人間なところまでは飲み込んだのだけど、なんか蚊柱人間みたいのが出てくる理屈が全く分からない…。二つの能力の根本はおんなじ物なのかしら?どっちか一方に出来なかったのかしら?なんとなく“無限の住人にスタンドもついてる”みたいなニコイチっぽい印象に感じちゃったけど。原作しっかり読めばしっくり来るのだろうか?

ンフー?ポイント③☆実際、亜人てそんなに怖いのだろうか?
例えば焼却炉とか酸のプールとかに落としたらどうなるのだろうか?
SATを蹴散らすシーンは「SATってばかなのだな」としか思えなかった。普通はスナイパーを用意するのはSAT側なのでは?
あと、「ばか」と言えば、市井の人々やマスメディアの描き方がやたら浅薄というか嫌悪感アリアリだなぁと思ったら、これ監督本広克行さんじゃないですかー。又やってるねぇ♪コレに気付いた瞬間が今作の盛り上がりのピークです。

ンフー‼︎ポイント④ ☆体当たりアクション!
アクション頑張ってる!身体張ってる!スタントダブルなのかもしれませんが、何度もイテテって思いました。佐藤健の顔に傷でもついたらどうするおつもりか!リセット効かないんですよ⁈

ンフー♨︎ポイント⑤ ☆綾野剛がノリノリである!!
割り切ってのびのびと悪をやっておる。一方、佐藤健は結構いつも通りの薄味(←褒めてます)をキープ。あと、女性キャラクターの造形が凄く男子が考えたっぽい。

ンフー💀ポイント⑥ ☆割り切って死にまくる!
“死んだら無傷スタート”を使った死にまくりバトルが不遜だし新鮮!他では見たことないです。命の重さが限りなくゼロに近くて、鑑賞時の印象はまさに“他人がやってるゲーム”。バグっぽいワープ技とかホントにゲームぽいです。

その他の小ンフー…ポイント ☆劇伴が凄く笑える。☆ラストシーンが『スカイライン』並みに予想外。☆109分にまとめたの偉い…けど、あと10分足して人間描写に力を入れても良いのでは?
…なんて思いましたね。
これらの感想を全て混ぜると、“面白かった”になりました。一見愚痴が多いように見えますが、もちろんそれも映画の楽しさの一部です。なにしろ『東京喰種』の時は愚痴を言う気も起こらなかったのですから。
でも、もし綾野剛が出てなかったとすると…結構恐ろしい出来映えだったかもしれませんね。という事で、スコアの9割は綾野剛に献上です!
…ンフー!