shino

氷菓のshinoのレビュー・感想・評価

氷菓(2017年製作の映画)
3.3
米澤穂信のデビュー小説、古典部シリーズの第1作目を映画化。
灰色の高校生活を望む折木奉太郎が、一身上の都合で古典部に入部した千反田えるの「一身上の都合」の理由となった出来事の謎を解き明かす。

若干の改変・カットなどはありましたが、原作ファンとしてはかねがね満足な出来でした。原作に忠実でよい!
某エピソードカットはまあ2時間で「氷菓」編全部やるにはあのエピソードのカットが必要だよな〜〜とも思いました。ちょっとあのエピソードに出てくる人好きなので期待してたんですがね。
原作がミステリはミステリでも派手な人死にや事件などは起こらない「日常の謎」というジャンルなので、こんな空気感やテンポでも全然楽しめました。でもこのジャンル苦手な人の気持ちもわかる(わたしも氷菓のファンになる前は日常の謎苦手だった)ので、評価が低い人がいるのもわかる。氷菓だけに。
個人的に原作が小説の氷菓に対する「アニメを実写化するな」という論争には疑問を呈する立場で実写に対する嫌悪感もあまりなかったので、色眼鏡無しで見れました。

ただ、映画のセットや役者の演技はアニメを意識したんだな〜というところが多々あり、そこが残念でした。いっそのことアニメなど無かった!というような作りにしてほしかったかな(バグパイプの場面とか…)。
逆に、最後のシーンはアニメ版と変えようとして印象が薄くなってしまったかなと。そこのあたりが残念でした。

あとはやまざきくん…やまざきくんもうすこし頑張ろう……他の人の演技が上手いので、やまざきくんの棒さ加減がめちゃめちゃ浮いてました…。見た目は奉太郎っぽいのに…がんばれ…。

でも不安に思っていたより全然出来が良かったです。
原作の続編である「愚者のエンドロール」編は、この終わり方だと期待できないかな〜?その次の「クドリャフカの順番」編が好きなので残念です。
shino

shino