【まとめシネマ】#1057
【まとめ】
* 渋味を与える大人の俳優陣
* 大杉漣と西田敏行
* 世代交代の最終章
本作は若手俳優の活躍も多かった過去シリーズと比べて、大人の渋味を放つ俳優陣が揃う。前作からの出演者は、熟成された渋味や凄味が増し、大杉漣やピエール瀧、大森南朋などの新キャストも、独特な存在感で作品を彩る。
本作の出演者で特に印象的なのが、大杉漣と西田敏行だ。
大杉漣が演じるのが、日本最大規模の暴力団「花菱会」の会長。だが、元会社印で定年退職後にヤクザの世界へ足を踏み入れた異色の経歴を持つ。関西を拠点とする組にも関わらず、標準語を使い、関西弁を嫌う一面もある。まるで、ビジネスのように極道の世界を発展させようとする彼に対して、大きな制裁が下される。
西田敏行が演じるのは「花菱会」の若頭。前作から登場する人物だが、本作の中で一番極道に生きる人物だ。その存在感は、物語にも大きく関わり、前作よりも大人の演技力で世界観を支配する。
本作は、三部作続いたシリーズの最終章に相応しい「世代交代」をテーマにした作品だ。シリーズに共通する様々な悪の描き方で、ある者は出世し、ある者は無惨な結果を迎える。そして、ビートたけしが演じる主人公も、彼らしい結末を迎える。