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散歩する侵略者のmingoのレビュー・感想・評価

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.6
本作は全編通してキヨシクロサワにしか撮れない映画なのは間違いない。しかし先日16日新文芸坐オールナイトで97〜99年驚愕の3年間特集で組まれていたように全盛期はここに集約されると思う。昨年の「クリーピー」みたいな化け方を期待しつつも、やはりそれほどでもない感は否めない。ヌルいヌルい。
もちろん素で楽しめる部分も多いし、いつもの黒沢清要素は豊富だが、今の映画界のあれやこれやや、権力なんかで予算はあれど繰り返される縮小再生産感も否めない。そしてラストにつながる流れも読めてしまう設定は黒沢清にやらせるのあかん。例えば「所有の概念」を学ぶと相手の頭から所有が抜け落ちて人格が変わってしまう流れなんかはもうラストで何が起こるかって大体予想が付いてしまう。この予定調和感は正直どうなのだろう。予定調和を楽しめる(「蜘蛛の瞳」「蛇の道」みたいな)遊ぶ余裕もなければ、毎度のCGでゴリ押し感もおもんない。飽きた。そろそろ正統派現代ヌーベルバーグ+ヤクザミュージカルスラップスティックコメディ(「ああ爆弾」みたいな)映画が観たい。ネット配信でおなしゃす
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