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真夜中のパリでヒャッハー!のmaverickのレビュー・感想・評価

4.0
フランスで大ヒットしたコメディ映画。邦題のタイトルとジャケ絵のイメージから敬遠していたのだが、評価の高さにつられて鑑賞。
うん、面白い!単なるお馬鹿映画なだけではなく、意外と感動出来るのも評価出来る。原題は『Babysitting』。

フランス映画って芸術的でお洒落なイメージがあるが、リュック・ベッソンの『TAXi』シリーズのように、コメディだとお下品なギャグが満載だったりする。本作もお洒落なフランスのイメージとは程遠い、下ネタ全開のお馬鹿映画。子供に見せるにはちょっとキツイかな。
社長の息子の子守を一晩だけ任された主人公が、悪友たちの企画したサプライズパーティーによって盛大なトラブルに巻き込まれる話。呼ばれたゲスト達は事情をよく知らずにバカ騒ぎパーティーだと思っており、悪友二人も酒と勢いに任せて羽目を外しまくる。とんでもない奇行の数々はドン引きではあるのだが、笑えるように上手く作ってある。嵐が過ぎ去った後の邸宅で、家主の社長夫妻が警察と共に置き忘れた証拠のビデオを再生し、そこで内容が明らかになるという見せ方が上手い。社長夫妻の呆れ具合と、警察の突っ込みに思わず笑ってしまう。
バカ騒ぎがメインのようにも見えるが、キーマンは子守の息子。社長夫妻はこの騒動を通して、息子との接し方のあり方を改めさせられる。家はめちゃくちゃで色んなものを壊されたけど、大事な息子との絆を取り戻すきっかけになったという良い話。単なるバカ騒ぎの映画ではない。

本作は主演のフィリップ・ラショーの監督デビュー作でもある(二コラ・ブナムとの共同制作)。フィリップ・ラショーはフランス版『シティハンター』を実現させたことで有名な人。本作と続編の『世界の果てまでヒャッハー!』の大ヒットによって、夢を叶えたそう。日本のコミック文化に多大なるリスペクトを捧げる人。本作でもそれが垣間見えて嬉しかった。フランス人は日本の漫画好きな人が多いし、リスペクトな発言を聞くのは日本人として本当に嬉しい。今後も日本びいきで活躍してほしいな。

手持ちカメラでYouTube風に撮影していたりとアイデアに光っていた。こりゃ確かにヒットするなという印象。続編も要チェックですね。
※『スクリーム4』と『ディパーテッド』のネタバレを本作には含みます。気をつけて(笑)。
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