ショウコ

クルエラのショウコのレビュー・感想・評価

クルエラ(2021年製作の映画)
3.7
「ダークヒロインの誕生!」「爽快チームケイパー!」「ファッションバトル!」「成り上がりサクセス物語!」「王の帰還!」…という世のエンタメをぶち込みまくった娯楽作品。視覚面でも聴覚面(音楽)でもしっかり贅沢な気分にさせて貰えました。楽しかったです💮

一体カメラワークどうなってんでしょう?いきなり目を奪われるのが「エステラちゃんが就職した憧れのショップ内」。天窓から侵入したカメラがシューって降りてきて店員の周りをグルグル。そのまま廊下を突っ切ってトイレへ…🎥まるでキルビル1の飲み屋のアレみたいです。
幼少期の連続マッチカットしかり、序盤の凄まじいテンポには、舞台説明段階で観客をダレさせる事があってはならん!という使命感の様なものがビシビシ伝わってきました

お話もすごく良く出来てたと思います。
母を亡くし、ホームレス暮らしをしながらもファッション業界への夢を捨てなかったエステラちゃんが偶然カリスマデザイナーに才能を見出され、やがて彼女と敵対していく…。「私は死んだ」といきなり語りだす冒頭モノローグなど掴みも抜かりない。振り返ってみれば結構複雑な構成なんだけど2時間超の尺にこんだけ詰め込みながら大した破綻も無く、何より分かりやすいってのが素晴らしい👏

でも101匹わんちゃんのヴィランの話じゃなかったですよね。エンディングまであのクルエラだって事をすっかり忘れてたぐらいです。正直その設定は余計と言うか…単体作品で良かったんじゃないだろうか





「良い意味でディズニーらしくない」なんて評価されてる様ですが私にはディズニーそのものにしか見えなかった🔍

どの部分かってそりゃ…「明確なヘイトスケープゴートの存在」ですよ。悪役として惨めったらしく酷い目に遭わされる犠牲キャラクターなくしてはもはや物語すら成立しない…それがディズニー。そしてその悪役をメインにして作品を作る際もやっぱり新たな悪を作り出す…

テーマこそ現代仕様であれど、誰かが倒されなくちゃエンタメではないって思い込んでる視野狭窄っぷりは何も変わってませんよね。ディズニー=ファミリー向けの位置づけになってますけど、悪いのは全てコイツだ!と何者かに責任をなすり付けザマァって言いながらスッキリする楽しみ方は親子でやっちゃダメな気がするぞ🤔
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