円柱野郎

マッドマックス 怒りのデス・ロード ブラック&クロームエディションの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を白黒バージョンにしたディレクターズ・カット版。

白黒版というイメージからはもっとクラシックな雰囲気を想像したけど、それとはずいぶん違ったね。
ジョージ・ミラー監督のイントロダクションによると、「マッドマックス2」を制作していた当時に音入れで使っていたモノクロのラッシュ版がとてもいい雰囲気だったため、この「怒りのデス・ロード」もモノクロ版を作ってみたかったとのこと。
確かに監督の言う通り、カラーでしか得られない画面の周縁部にある情報(例えば空の青、作物の緑、火炎の赤、信号弾の色など)はオミットされるものの、そのあたりが抽象化されることによって逆に話を突き動かす感情に集中しやすくなった印象はある。

カラー版はカラー版で素晴らしいし、その派手さがアクション映画にも合っている。
でもそもそも“行って帰ってくるだけ”の話でありながら、それだけで観客の目をくぎ付けにしてしまう様な熱量を持っている作品なわけだから、あえて白黒にして風景を背景に押し込めることで物語の熱さを際立たせる本作の白黒表現もまた、この内容に合っていると思いましたよ。
円柱野郎

円柱野郎