コーカサス

ピーターラビットのコーカサスのレビュー・感想・評価

ピーターラビット(2018年製作の映画)
3.4
もしかしたら、世界一有名なウサギかもしれない。彼の名前はピーター。

1902年にイギリスの女流作家ビアトリクス・ポターによって命を吹き込まれ、今もなお世界中で愛される『ピーターラビット』と仲間たちをハリウッドで初の実写映画化。

ポターが生まれ育ち、ピーターのホームグラウンドでもあるイギリス・カンブリア州の湖水地方エスウェイト湖畔にある小さな村ニア・ソーリーを見事に再現した田園風景とは対照的に、トーマス (グリーソン) の勤めるハロッズやロンドンの都会風景も合わせて楽しめるのは良いが、原作ではあくまでも“イタズラ好き” として描かれているピーターの少々度が過ぎる悪ノリや過激な行動がイメージを崩していないか…賛否を呼びそうだ。

余談になるが、イタズラをするウサギのピーターと釣りを楽しむカエルのジェレミー・フィッシャーどんを観ていたら、国宝「鳥獣戯画」を思い出した。
近年では「ピーターラビット」と「鳥獣戯画」のコラボ商品も発売されている。
世界一有名なウサギと日本一有名な兎が戯れる姿は、まさに“二兎を追って二兎を得た”夢の競演といえよう。

ともあれ、“原作と映画は似て非なる”ことを念頭に置けば、充分な娯楽作であることは確かであり、今から続編が楽しみである。

68 2021