ウェス・アンダーソン監督の作品は、実写映画であろうと登場人物がまるでアニメやテレビゲームのような直角的な動きをするため、アニメ映画との親和性も抜群だ。キツネ映画に続いてウェスのアニメ映画第2弾はイヌ映画！しかも舞台はエキゾチックに退廃化した日本！ブラックジョーク調のセリフまわしと、都会のマンモス駅のような慌ただしさはウェスにしか出せないBPMを生み出していて、相変わらずこの人の作品のテンポの良さは快速列車のように退屈な時間をぶっ飛ばしていく。
出演声優もやたらと豪華！しかもみんなキャラクターと顔がソックリだ(笑)
ここ日本のメガ崎市では犬の病気通称ドッグ病が蔓延し、小林市長は犬たちを隔離されたゴミ島へと幽閉、一網打尽にしようと目論んでいた。
ゴミ島に送り込まれた犬の第1号は、小林市長の養子小林アタリのボディガード犬スポッツ。そしてその後も犬は次々とゴミ島に送り込まれ、たちまちゴミ島は犬ヶ島と化した。
小林アタリはスポッツを助け出すため単身飛行機で犬ヶ島に不時着。しかし、スポッツはなかなか見つからず、その場にいた5匹の犬たちと共に犬ヶ島の探索が始まった。
退廃化した日本はウェス流のブラックジョークかそれとも愛なのか。(多分どっちもだろうが笑)
ドンドコと鳴り響く和太鼓のパーカッションが画面に迫力を与え、ウェス独特の変拍子的リズム感をも同時に生み出している。登場人物も文字も多く、字幕も多いため、早回しで見ているかのような情報量の多さに呑み込まれそうになってくるが、後ろを振り返ることなくオタク道を突き進む、いつものウェスの世界観が貫かれているのは微笑ましい限りだった(笑)
