ずん

犬ヶ島のずんのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
4.0
ウェス・アンダーソン監督のこの作品に対する情熱を讃えたい!

監督の感性の素晴らしさと日本への愛が溢れる素敵な世界観を堪能できる傑作でした!

近未来の日本で犬の病が蔓延し、犬嫌いのメガ崎市長の命令により犬達はゴミと一緒に犬ヶ島へ送り込まれ密かに生き長らえていた。

主人公のアタリ少年は飼い犬兼ボディーガード犬である相棒スポッツを探しに1人犬ヶ島へと渡る。

そこで出会った沢山の犬達との大冒険物語。

冒頭から和太鼓のBGMや浮世絵、日本の歴史的背景など、昔の日本を違和感なく感じさせるのが素晴らしいです。

リアルな日本じゃ無いにしても、制作するにあたってここまでの世界観を創り上げるのに日本の事を相当詳しく調べたんだなぁと感心しました!

また特に驚いたのが、登場人物の豊かな表情や犬達の毛並みがなびく描写。ストップモーションで描く繊細さに監督の丁寧な仕事ぶりと本気が感じられます!

どの登場人物も犬達も愛着の湧くキャラクターで特に主人公のアタリ少年と野良犬のチップが一緒に旅をしていく中でだんだんと心の距離を縮めていくのが可愛かったです。

本当に細かいところまでこだわっていて、愛犬スポッツとの再会シーンやチップが始めてクッキーを食べて感動するシーンで犬の目に涙を滲ませていたり、感動したのは寿司職人が寿司弁当を作るシーンや研究者のハイテク機械で薬の効果を証明するシーンは真面目でいかにも日本人らしさが表現できてるなぁと!

他にも高校新聞部の黒板の文字や、犬ヶ島のあちらこちらに書かれた日本語に遊び心がありついつい一時停止して見入ってしまいました。

改めてウェス・アンダーソン監督に興味を惹かれる傑作でした。

他の作品も観てみたいです。
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