ギズモX

エクスペンダブルズ ニューブラッドのギズモXのレビュー・感想・評価

3.9
新年一発目。
みんなご存知、スタローン主演アクション映画の金字塔『エクスペンダブルズ』の最新作。
イコウワイス率いるテロリストとの戦いで、途中離脱したスタローンの代わりにステイサムが頑張るストーリー。

前評判の悪さから、90年代暗黒期のスタローンが帰ってきたのかなと覚悟して臨んだけど、うん、予想と全然違ってた。
B級はB級でも品質がアサイラムが制作した映画のそれに近く、Z級映画に片足突っ込んでる。いやホントマジで。

はっきり言って何もかもが安っぽい。
合成丸出しの背景には悲壮感が漂っており、ストーリーに至っては起伏が完全に消し飛んでる。
第一作目が公開された後、数多くのエクスペンダブルズ系パチモンZ級映画が制作されたが、まさか本家がそれに合わせてくるとは。
あれで本当に死んだとは誰も思わないでしょ!
殺し方雑すぎ!変な笑いが出ちゃうほど呆気ない!終盤で「実は〜」とかされてもお約束すぎて驚きも何も感じなかったよ!

しかし、肝心のアクション自体は出来が良い。
過去作と比べてアジア系のマーシャルアーツの度合いが増えており、お祭り映画特有の融合感で楽しく仕上がってる。
ステイサムの少し前進してからの振り向きざまショットがツボった。
酷い酷いと言われている脚本も、ここまでB級Z級なお間抜けを貫き通してくれたのはある意味で奇跡に近い。

『MI』『ジョンウィック』などのアクション超大作が巨大スタジアム使って大歓声が響き渡る中で行われる一大試合なら、本作は小さい公園で野良で集まってボール蹴ってるようなもの。
そしてB級というのは本来そういうものじゃん。
80年代の老兵や次世代のアクションスターがみんな寄ってたかって草試合してると思うと、なんか微笑ましくて許せてしまった。駄作だと言いたくないよ。

これから観に行く予定の人は、本作を『コマンドー』とか『コブラ』『レッドスコルピオン』みたいな80年代B級アクション映画だと思って期待してると間違いなく後悔する。
『エクスペンダブルズレディズ』みたいなパチモンZ級映画だと思って鑑賞すべし。
ギズモX

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