Aya

ふたりの J・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏のAyaのレビュー・感想・評価

3.1
#twcn

大好きなキャストがお送りしたとんだバカな話。

なにこのスターキャスト!!
コートニー・ラブも出てるの?!
なんで?!

ヤバすぎww
というわけでこちらも劇場で逃した作品。

今さ、クリステン・スチュワートちゃんはさ、世界でも最強の「抱かれたい女優」TOP2なわけじゃないですか?おケイト・ブランシェット様と並んで!

そんな彼女がチャリエンでやっとビックバジェットものに出たかと思ったら、ひたすら地道に続けるマイナー仕事。

※もしかしたら今回のレビューも例の如く、間違いがあるかも。
○ダイアン・クルーガー
×ライアン・クーグラー

この監督、あのフランコの不思議な映画しか見てないですね。
なんか通じるものがあると思った。
映画を理解しようと思ってめっちゃ考えるんだけど、やはりチグハグな部分が多い。
絶対そこまで観る側のこと考えて作ってないし、そんな腕もないやろ?

ぶっ飛んだアーティスト志望の兄ジム・スタージェスの家に、居候にやってきたクリステン。
その彼女の画家のローラ。
彼女はあの「サラ、紙に背いた少年」の作者、JT・リロイだった。

ローラ(ローラ・ダーン)はクリステンに小説を読ませ感想を求める。
それは彼女をJTに仕立て、演じてもらうのが目的だ。
(当時のJT・リロイって中性的なイメージだったからベリーショートの髪型で、少年ぽい服装のクリステンちゃんて結構いい選択だ)

クリステンはスキニーな身体を好むバイ。
スポーツブラで小さな胸をさらに隠し、男性ものの下着を身につけている。

気軽な気持ちでブロンドのかつらとキャップを目深にかぶり、大きなサングラスで写真を撮らせそれを宣材とした。
そこから3人の共犯関係が始った。

独立し、ウエイターとして生計を立てるようになっても依頼に答える続ける。
クリステンなりにJTを演じるために努力する。繊細、臆病で傷ついた天才作家を。
すげえ雑な成り切りに騙されるカメラマン。
それだけ当時のJTはミステリアスな存在だったのだ。

ローラはマネージャーとして撮影に同行し、言いたい放題やりたい放題。
言葉巧みに丸め込もうとしているようにも、本気でJTという存在に依存している。

どんどんエスカレートしてゆき、彼女に話し方や仕草、仕事のスケジュールまで要求してくる。戸惑うクリステン。

彼女にはショーンというアート系のハンサムなボーイフレンドもできて実生活が充実してくる。
そんな中でローラの要求に戸惑うばかり。
でもそんなローラや、JTを演じること自体に刺激を感じるのも事実。

後々わかるのですが、ローラも施設で幼少期を育ったんですね。
それが小説とその嘘にとても大きな影響を与えたいた。

第二弾の本が出て、ハリウッドでの映画化の企画が持ち上がり、LAに行くことに。
パーティーでJTを演じることに戸惑うクリステン。

そこで作品のファンでずっと連絡を取り合っていた女優でセレブのダイアン・クルーガーとも出会う。
ダイアン・クルーガーってドイツ人じゃなかったでしたっけ?
フランス人の役なんやけどw

皆JTと話したがるが、1人で全てはこなせないクリステンにつきっきりのうざいローラ。
周りも訝しがる。
そしてローラ自身ももてはやされるクリステンを見て、みんながJTと思って話しているのは、そこにいるはずなのは本当は自分なのに、という寂しい思いが節々に。

そしてダイアン・クルーガーに誘われてパリへ行くことになったが、はしゃぐローラをよそに、バンドを蔑ろに、妹を好き勝手にする彼女に対してついにジムがキレる。

ローラは結局、話題の中心に常に自分がいたい、ひとなのかな。
自由で奔放で才能があるから魅力的だけど、勝手すぎて周りは振り回され、我慢することが多い。

そしてパリに行くのですが、私ずーっと気になってたんですよねー!!
JTは存在しないし性転換前と主張するMALEのはず。
日本にも来たことあったよね?
でもJTを演じるクリステンはFEMALEなわけで、パスポート どうなってるの?と思ってたら!!

なるほど!
税関通る時は自身のパスポートで通過し、途中のトイレでJTに変装して出口に行くと。
つまりJT・リロイなる人物の入国の事実はない。

何気にエコノミーに乗ってきた2人がパリに着いた空港で疲れきって、旅行の始まりなのにすでにボロボロで好きです。

ベッドに置かれたチョコレートの箱をひっくり返すローラもフランスきました!って感じでいい。

結構辛辣な質問が飛ぶフランスでの会見はおもしろい。
1人で舞台に立っているので、ローラのうざいアドバイスはできない。
なので自分なりに考えたJTの考えを答えるクリステン。
しかし、JTの姿や受け答え、そして作品自体に疑問を抱く記者もいる。

なんかフォンテーヌ・ブローの中にありそうなイケてる石造りの会場もフランスらしい。

そしてここで2人のJTに亀裂が入る。
周りからもローラの過干渉を訝しがられる。
パーティーやダイアンとの交流を楽しむクリステン。それがおもしろくないローラ。だってダイアンと心を通わせていたのはずっと電話でやりとりをしていた彼女のはずだから。

Oh,complicate,,,
でも浮気はダメだヨ。

そして決定的に仲違いしたローラとクリステン。

やっぱローラはサラだよ。
それでいいじゃん。フィクションで誇張した小説で。
その才能を持ってして、小説で多くの人々を救い、電話で話したりまでしてるのに、自分をJTとして満足できない彼女こそ痛々しいと思った。

JTにかかってくる読者の電話に対応しているようで、本当はローラが自分の痛みを誰かに話したいんだ。

クリステンはボーイフレンドのショーンに本当のことを話す。
(浮気した事は隠して!)
でもその反面、フランスで通じ合ったダイアンとの関係も大切にしている。
なんなん?

そんな絆を感じて大切にしていたダイアンにいざ会いに行ったら・・・さらになんなん?!
もうわかんないよ!!
お前らの好きとか愛してるとか!!!

もうJTがどうこうとかより、今そばにいる人を大切にしなよ!
ショーンすごく素敵な人じゃん!

ローラもそうだよ!
ジム・スタージェスめっちゃ良いやつやん!

2人ともお似合いのパートナーがいるのになに、夢見ることにすがってるの?

クリステンはJTになることで今まで触れることのなかった世界に触れるんだけど、嘘をついて誰かを傷つけることで自分も傷ついたのではなく、その世界に夢を見て勝手に傷つくことに疲れたのだ。
彼女もローラと同じく自分勝手だと思った。

ローラが熱に浮かされすぎて自分を神格化したいのはめちゃやばい人だけど、クリステンもクリステンで同情だけできない。

ていうか本の作者が本物じゃないといけないの?という根本問題。
ノンフィクションならすべてが本当でなくてはいけなくて、自伝なら本人の経験が本物でないといけないの?

自分の経験を語るのはとてつもなく勇気がいること。
でもそれ以上に物語を紡ぐ方が文章を書き、小説として発表するうえで価値のあることのように思います。

それ以上にこの物語は茶番。


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