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ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

3.8
 議論の映画。建築に関する議論に、デザインに関するもの、こういう作品が制作されるということにも感激した。
 また、建築界の巨匠と言われるコルビジェと、インテリアデザインのアイリーンを、伝記として称えるのだけはなく俯瞰して描いているのも良い。
 二人の間にある敬意と嫉妬と、複雑な感情もわかった。
 アイリーンは決して若くはないが、その精神も魅力的だ。それを描いて、成り立たせるのも監督の技量だろう。
 建築をかじると必ず登場するコルビジェ、フランス国葬された彼の業績など少しでいいから予備知識を持って見ると、面白さが倍増どころか激増する。
 こんな映画が撮られる環境が羨ましい。
 建築は機械でなく、愛の深さだというアイリーンの言葉にも監督のメッセージがある。
 そして、それはフランスのメッセージでもある。
 自立したアイリーンの姿は、アイルランドのそれでもある。
 
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