茶一郎

MEG ザ・モンスターの茶一郎のレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)
3.2
 MEG(メガロドン)のアゴの幅は3.3メートル以上!デカイ!スゴい!間違いない!いざそんな世界最大のサメを見に行こうと劇場に入ったら、世界最強のスキンヘッドを見せられ劇場を後にする、驚異の映画『MEG ザ・モンスター』。
 本作は企画から実現まで20年かかったという、これまた260万年前に生きていたとされるMEGばりに年季の入ったもので、その『MEG』はいよいよ『ジョーズ』を超えてサメ映画史上、最大の興行成績を叩き出した作品になりました。

 何事も「大きい事は良い事」、本作『MEG』は中身も相当、景気が良いものです。海中の研究施設、サメ(MEG)の追跡、シャークケージ、サメによるビーチ攻撃、サメとの決闘、と過去のサメ映画の良いところ取りを詰め込んでいます。
 予算もあって、良い所を集めて、こんなもの悪くなるはずが無いのですが、そこが何とも締まらないジョン・タートルトーブ監督のイマイチな手腕。おそらく本作の難点は、「B級」に物語を振り切れなかった事だと思います。ワクワクする展開を止めるのはいつも、ファミリー向けの「家族」についてのサイドストーリー。何度も泣かせ展開がサメ映画のB級的展開を止めにかかり、非常にゲンナリさせられました。もう『ジョーズ』の演出とストーリーの堅さに勝てる訳が無いので、いっそR-15にして下品・ゴア上等の映画に振り切って欲しかった。そうして振り切ったアジャ監督の『ピラニア3D』が、いかに素晴らしい映画だったか。

 しかしながらステイサム映画としては、非常に面白い物が見れます。全長23メートルのMEGによゐこの浜口スタイルで泳いで立ち向かうステイサムには、もう笑い声が出かけました。
 結局、強いのは人間のスキンヘッド。『ランペイジ』もそういう映画でしたが、ステイサムと言い、ロック様と言い世界にスキンヘッドがいる限り、地球は安泰なんだと思います。
茶一郎

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