ベルサイユ製麺

MEG ザ・モンスターのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)
3.1
ぎゃ───ん!ショック!
こんな案配でしたか…。


皆さまやたらと底評価だったのを「そんな、…サメ映画だからって貶めちゃダメ!」とか思いながら眺めていたのですが…、実際観てみると確かにこれは然程面白く感じない。いろいろショック…。


巨大な古代ザメが深海でそっと暮らしたいたところに喧しい人間がズカズカ入って来て、そこにサメがついてきちゃったからコロス方針。言わば『ノンマルトの使者』みたいなお話である。



…個人的にはサメ映画ってあんまりちゃんと観て無いのでリテラシーわりと低シーなのですが、多分一般サメ映画ってこんなに緊張感薄くないですよね⁈
サメ映画の映画サメ(ホントのサメはそんなに怖くないよ!)の何が怖いって、一つにはあの“噛み傷”だと思うのですよ。ギザギザボロボロの傷痕に塩水が滲みるのとか、そこにフジツボの卵が入るのとかホント嫌だ…。ところがこの映画のメガロドン、大きすぎて“丸呑み”系なんですよね。それじゃあ単に”パッと居なくなる”のと変わらないですよ。当然、ボートだとか岩礁とかに取り残されてオロオロ…みたいなジワジワ系ショックも成立しづらい。なんせデカイからな!丸呑みだかんな⁉︎
まあ、そもそもショックシーンが殆ど無くなっている背景は明確で、過剰にファミリー向けを意識したからですよね。それにこの監督、特段サメ映画なんて好きじゃない可能性も有ると思います。どんなシーンを撮っててもな〜んか全体的に“一応”感が漂ってる…。
あと、せっかく”古代ザメ”なんて一回こっきりしか使えなさそうなネタをモチーフにしたのに、メガロドンしか出ないの勿体ないよ!!大小取り揃えた様々な古代ザメの活躍が見たいですよね?『クローバーフィールド』だって、巨大怪獣から逃げ惑う+人間サイズの寄生生物+レトロウイルス?の合わせ技で追い詰めるのが最高だったんじゃんね!分かってないなー。
そんな感じで、そもそも感情が波立たない展開なのに加えて、…なんか変に尺が長いんだよ!ハッキリ言ってあと30分は削れますよ。人間ドラマ入れるにしてももっとタイトな方が印象に残りますって。

…で。結構決定的な事を書いちゃいますが…。
今までそんなに感じた事無かった(というか、努めてフラットに観ようとしていたのかも)のですが、やっぱり中国資本なのがダメなんだろうな…。そもそも中国資本大作と、このテーマの愛称が良くないと思うのですよ。
この作品で想定されている面白さのツボって、おそらく中国の一般大衆向けにチューニングされてますよね?…ご家族で観に行って、みんなドキドキ・ウルウル・ワッハッハって感じ。いやいや、…こんな尖った題材の作品を大衆向けにしちゃダメだよ!これ、“日本で作ったら良い”なんて話の訳は無くて(絶対もっとダメになるし)、おそらくはブラックジョークをすんなりと享受出来る国民性か否かの問題だと思うのですよ。アメリカ・韓国はその点がバッチリだし、ヨーロッパはハイブローになりすぎる嫌いがあるけどソフトストーリー的な人間ドラマ展開とかにすればバッチリだと思う。でも中国の、“ ウケそうなモノなんでも盛り込んじゃう”感じは重めのホラーやパニック物と相性が最悪に思えちゃうんですよね…。どうしても撮りたいのなら自国の俳優で純国産作品として撮れば良いのに。例えば…
〜ダンテ・ラム監督。上海近海に突如現れた飯河魯呑(メガロドン)!海兵隊隊長(ルイス・クー)とフカヒレハンターの男(ラウ・チンワン)が、何故か手錠で繋がれたまま立ち向かう事に!キャストは他に“腹の中に住んでる男”(ラム・シュー)等。〜


もう愚痴と妄言しか書いてない見苦しいレビューですが、勿論良いとこも有りましたよ!終盤のステイサムvsメガロドンのタイマン勝負は最高にバカで良かったです。全編コレをやれっつーの!あと、ラストの、現行モデルのサメたちがワラワラ集まってくるシーンは、「勝ったのはあのサメたちだ。ワシたちではない」って感じでビシッと決まってましたね!リスペクト!

…これ、ロック様主演だったら、最後メガロドンと心通わせて一緒に深海に潜っていくラストが見れたんじゃないの?やっぱイサム君は都会っ子だからなぁ…。サカナが切り身で泳いでるとか思ってんじゃないの⁉︎カブトムシは電池で動いてるんじゃないんだからね⁈