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夜明け告げるルーのうたの一のレビュー・感想・評価

夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)
3.8
湯浅政明監督作品
脚本は吉田玲子

複雑な気持ちを胸に秘める人間の少年と、純真な人魚の少女との出会いと別れを描く

アヌシー国際アニメーション映画祭2017にて、日本映画としては『平成狸合戦ぽんぽこ』以来22年ぶりとなる最高賞のクリスタル賞受賞という快挙を成し遂げた作品

ストーリーも演出も構成も、湯浅監督の魅力である独特な作家性が比較的薄まっているせいか、過去作に比べると良くも悪くも大衆向けの作品に仕上がっている印象
とはいえ要所でのぶっ飛んだエネルギッシュさはしっかりと残されているので、すっかりファンになってしまった自分としても満足できました

水の表現や使い方などは『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせるし、人魚のルーは容姿も声も話し方もかなりポニョを意識しているとしか思えないけど、さすがにこの可愛さは反則級でなにもかも許せてしまうくらいの魔力を秘めている
口が3になるところとかも超たまらん

冒頭からオープニングまでの流れで一気に心を鷲づかみにされ、そのままスピーディーに突っ走る怒濤の展開力もさすが

書き下ろしでもない斉藤和義の名曲を使うのはちょっとズルくないか?と思わなくもないけど、意外と物語にマッチしているので結果的には全然ありだった

少年と人魚の出会いを通じ、しっかりと繊細な青春映画に昇華されているのもグッとくる
やっぱり湯浅政明監督天才ですな

〈 Rotten Tomatoes 🍅78% 🍿64% 〉
〈 IMDb 6.8 / Metascore 62 / Letterboxd 3.6 〉

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