ベルサイユ製麺

デッドロック4〜絶対王者ボイカ〜のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.2
チェストー!!!おしゃれ映画はここまでじゃー!

『ドクターストレンジ』(の脇役)などで知られるアクションスターのスットコ・アドキンス主え…
失礼しました。スットコじゃ、ただの悪口ですね。

…トットコ・アドキン太郎主演!格闘アクション作品なのだ!…アドキン太郎は相撲でクマをぶん投げるハムスターです。〔※諸説有る〕


ウクライナ、キエフから物語(…というほどでも)が始まります。地下MMA、というかNHBのチャンプがトットコ演じるボイガです。
…因みに、自分は漫画の中のバレーボール以外にはスポーツに興味は無いのですが、唯一好きだったのが総合格闘技でした。「でした」なのは、(おそらく滅多にいないタイプだと思うのですが)試合そのものにはさして興味が無く、ひたすら格闘技雑誌を読み込むのが好き。で、その雑誌が休刊してしまったので、今現在の総合格闘技=MMAの流れがよく分からないって事です。ただ、当時の蓄積で大会運営の事や技術的な事とかは比較的分かるので、例えば皆さんが大好きな『ウォーリアー』とか観ても「こんな適当なウェイトの擦り合わせで且つトーナメントとかマトモな運営じゃねぇ!RIZINといい勝負のハイプだよ。ちゃんと測定しろ!」とか愚痴っぽくなってしまうのです。個人的な見解では、今のところ映画で唸るようなリアルなMMAシーンは描けて無いと思います。(技術的には『東京ゾンビ』やドニーイェンの近作などで散見されます。変わったところだと『スター・トレックBEYOND 』で宇宙人が柔術的ムーブを見せますね!)
さあ、今作『デッドロック』では、ついにリアルなMMA描写が見られるか⁇ 注目!

結果。
↓ ↓ ↓
丸まってるせーなかにー まわりげり〜♪
🥋カラテダンス映画でした!
えーと、試合はリングで行うガラパゴス系で、基本的に組み技寝技無し。超大味なスピン系のキックで踊るように蹴り・蹴られ。2人の息ぴったりの格闘ダンスが見られます!
…それならそれで良し!中途半端なリアル感が嫌なのであって、ここまで振り切った嘘っこバトルは寧ろ清々しいよ!
一気にストーリーを。表舞台に立つ査定試合で張り切りすぎて相手を殺しちゃったボイガは、良心の呵責に耐えかね、対戦相手の奥さんに会いにロシアに。(ボイガはロシアの刑務所から脱獄してウクライナにイタソウナ)
奥さんはロシアの興行主に借金のカタに働かされていて、いろんなことで頭がゴッチャになったボイガは(彼にはそういうとこが有ります)、彼女を解放するために興行主の運営するMMA大会に出ることになります。チャンピオンに勝てばいいんだろ!的に。
ふた昔くらい前のストーリーラインに思えますが、格闘物なんてこんなくらいで良いと思います。いたずらに『インセプション』みたいなややこしい設定だと気が散るし。
もう格闘家たちがみんなバキバキのステロイド野郎です。アレは良くない。怒りっぽくなるの…。ダイナマイト・キッド、フォーエバー。
ボイガは一発殴られたら二発返す的なスタイルのなので、結果連戦で身体がぼろぼろになります。しかも時には1対2…って、どこがMMAだよ!とか言ってたらそのうちRIZINでやってるかもしれないけど…。
で、最後クチャクチャになりながらチャンピオンを倒したところで、興行主の手下にバットでボッコボッコでクチャボコにされ、ついにボイガの怒り爆発!なんとバットを奪い手下どもをフルスイング!お、おい、只でさえ誤解されやすいスポーツなのに…。更に拳銃を奪い景気良くぶっ放す!ちょ、ちょっと!やっと掴みかけた市民権が!更に興行主の首をシンプルに両手で締めて絞殺‼︎…あ、まあ、そういう事もあるよね。カッとなっただけだよね?ドンマイ、アドキン太郎。ホントに大好きなのはヒマワリの種なんだよね?
…と、いわゆるツッコミサンドバッグ的な出来栄えでは有りますが、それだから楽しいのは否定できません。UFCなどで目にする、スーパーマンパンチからジャブ・ボディブロー的なコンビネーションの気持ち良さを、観ている私たちもツッコミ連打という形で擬似体験出来る、これこそ体感型リアル格闘映画の決定版ですよ!…なんちゃって。

Don’t think. Sleep…