ベルサイユ製麺

モンスター・ホテル クルーズ船の恋は危険がいっぱい?!のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.7
舞台はメキシコ。一年に一度の死者の日。死者の世界に迷い込んだ少年の冒険が始まる…。

…ていう、アニメ映画を早く観たくて堪らないのだけど、最寄りのツタヤでソレがいつまで待っても新作扱いなので、その隣にあったコレをシュッと抜いたのだ。
同じくCGアニメだし、まあ死者もモンスターも似たようなもんでしょ?一緒一緒。

冒頭、モンスター物らしく
“トランシルバニア 1897年”と来ましたよ。
クラシカルな列車、満員の乗客の中に不自然に外套をすっぽりと被ってソワソワしてるグループ。彼らはモンスター!フランケン、透明人間、ミイラ男、そしてドラキュラ〜。
そこにレーザーガンを携えて乗り込んできたのは、先祖代々のモンスターハンターの家系のヴァンヘルシング教授!走行中の列車を舞台に、超迷惑な追っかけっこが展開されます(ハドソンのファミコンソフト“チャレンジャー”の1面と言えば伝わりやすいか)が、基本的にはモンスターのが一枚も二枚も上手、いつも!あの時も!その前も!酷い目に遭わされ、ドラキュラは逃げ去ってしまいます。
…しかしドラキュラにも思うところアリ。我々いつまでも逃げ回ってはいられない。我々の安住の場所を作らないと!

ということで、
ここでタイトル!
“ホテル・トランシルバニア 3”
?…ん?3?

ホテル・トランシルバニアシリーズは(多分)過去作同様とっても親切な作りなので“3”から観ても全く問題ないのです!いや、寧ろ“3”から観るのが1番面白いのでは?あーもう絶対そう!

お話は現代になりまして…。モンスターの為のホスピタリティ溢れるホテル、トランシルバニアを運営するドラキュラ。娘のメイヴィスとその婿で人間(…なんでなんスカねぇ?)のジョニー、孫のデニス、ペットの巨大な仔犬チッチと仲良く暮らしております。昔の馴染みのモンスター達も一緒だよ!
働きづめの父の為、家族だけの時間を作りたい娘のメイヴィスの計らいでヴァケーションを取ることにした一向は、超豪華客船でクルーズの旅に出かけます。向かうはアトランティス大陸!
…って、言われてもイマイチ気乗りしないドラキュラでしたが、客船の船長エリカに一目惚れ!なんだかエリカも満更では無いみたい…。しかしエリカにはある秘密が…⁇

…うわー。ウルトラ面白い。なんなんだこれ。
先ず目を引くのはキャラクターのキュートさですよ。アニメーションと立体的なCGとの折り合いとしては個人的にコレがベストです。ピクサーのバランスより好き!どのキャラクターも本当に魅力的です。個人的にはミイラ男の剥き身のチキンみたいな体型が可愛すぎて萌え死にしそうでした。
アメリカ製のコメディCGアニメは大概そうなのですが、今作は更に群を抜いてギャグの嵐!画面上、常にどこかでバカみたいな事が起こってる!情報量が凄すぎて一回で見切るのはとてもじゃ無いけど無理!…制作環境の差は大きいとは言え、日本産アニメって本当に世界に誇れる様なものなのかな?と心配になりましたよ…。あんまり詳しいジャンルではないので迂闊な事は言えませんが、ことテンポ感だけで言えば中島かずきレベルじゃないと太刀打ち出来ないのでは…。
ギャグの質も超ソリッド!“グレムリン航空の破壊しながら飛ぶ旅客機”とか“チュパカブラに差し出されるカクテルグラスに乗ったヤギ”とかメタメタに面白いです!誰だ?普段から“アメリカ人のギャグセンスってアメリカンジョークみたいやつでしょ?”とか言って鼻で笑ってるやつ!(filmarks界隈には居ないか…)
令和だというのにマカレナを押し付けてくる楽しい音楽も、終盤のバカバカしいスペクタクル展開(クラーケンの可愛さよ💕)も行き届きすぎで、ホント楽しくてしょうがない。強いて言えば、情報量が多過ぎて疲れちゃう…という贅沢な悩み。…一方その頃、平均的ジャパニメーションは…。

まあ、ストーリーから学ぶこととか特に無いですけど、それは隣の『リメンバー・ミー』で補給すれば良いのであります!…早く準新作になれ〜。
それにしても面白い。監督、タルタコフスキーなんていうふざけた名前の方なのですが、劇場版パワパフの作監などを務めた方のようで、そういえばドラキュラ、何処と無くユートニウム博士に似てる!最後まで気が付かなかったのですが、声優も素晴らしい!アダム・サンドラーにセレーナ・ゴメス、さらにスティーブ・ブシェミ‼︎ブシェミスト集まれー!吹き替えも(近々呪い殺されるんじゃ無い方の)山ちゃんがやってて当然バッチリです!
もうこれ、勿体無いからシリーズ化すれば良いのにー☺︎