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サスペリアのBACのネタバレレビュー・内容・結末

サスペリア(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

・オリジナル版は見せ方、音楽、照明、美術といった映画の形こそが命で、まともに話を追って観ようとすると「何だコレ?」になる作品だった。

・でも「嘆きの母」というネーミングや、舞踏団の裏側では魔女たちが蠢くといった根本の設定が想像力を刺激する処があって惹き付けられる。リメイク版の監督も同じ気持ちだったろうな。

・本作はサスペリアの二次創作、と書かれた方がいたけど正にその通りだと思う。オリジナルとは真逆の方向性だけど、想像力を刺激され惹き付けられる点では同じ出来。

・魔女の集団と赤軍が間違った違った方向に動く姿を重ねたり、マダム・ブランがナチから女性たちを守った一方でクレンペラー博士は妻を守れなかったなど、様々な要素の重層的な厚みがいいな。ここが本作独特の魅力になってると思う。

・また作品を引っ張るダコタ・ジョンソンとティルダ・スウィントンが良かった。設定の重層性は魅力的とは言え、具体的な話なのに台詞や展開は抽象的という困った部分を二人の存在感がカバーしてる。

・メノナイト派については、さすがに知識が無いと分からないなー。何か意味合いはあるはずだし。

・ラストの大殺戮。逆異端審問でもあり、また嘆きの母という名前に合った情けを見せてくれ、悪魔であり女神でもある在り方が魅力的。ぜひ他の二人の母が出てくる続編を観たい。

・トム・ヨークの主題歌が良かった。
悲しげな旋律も本編に合ってるけど、これはPVの方が断然いいな。
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