広島カップ

バトル・オブ・ザ・セクシーズの広島カップのレビュー・感想・評価

3.7
バトル・オブ・ザ・セクシーズ(性別間の戦い)といわれている1973年9月20日にヒューストンで行われた女性vs男性のテニスの試合。

男女間での賞金格差に抗議し、また男女同権運動でリーダーシップを取っていたビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)と対するのは当時55歳のボビー・リッグス(スティーブ・カレル)。彼は第二次世界大戦の頃に全盛期を誇った元プロテニスプレイヤーで、賭け事好きである上に女性に対して偏見を持っていた。
何度も面と向かって卑下されるような言葉を言われたビリーにとっては絶対に負けられない試合だった。

勝負の行方は既に史実が示しているのでそれほどドキドキはしません。寧ろ女性の地位向上に尽力したビリーの内面について、またレズビアンであった彼女のプライベートについて詳しく描かれていて興味深かった。
試合後のロッカールームで涙ぐむビリーの表情に、色々なものを背負っていた彼女の人生が浮き出ている。

一方でボビーという下衆な男を演じたスティーブ・カレルの演技も素晴らしい。
今では少なくはなっているであろうけれど、我が国の男性国会議員の中に時々いる女性蔑視をするような男を見事に演じている。
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